4年越しにリニューアルした機能の公開から旧機能クローズまでにPMMとしてやったこと
こんにちは。SmartHRでPMM(プロダクトマーケティングマネージャー)をしています、岡田(@___onikutabeyo)です。
前回のPMMとしての取り組み発信から半年も経ってしまいました。
趣味は焼肉屋巡りで、、、というのは前回も話したので割愛しますが、今回も最後に焼肉屋のおすすめ情報を載せています。引き続き、焼肉情報が知りたい方はぜひ最後だけでもご覧ください。
ということで、今回は私がいまPMMとしてのメインで仕事しているSmartHRのオプション機能「文書配付機能」にて、4年前にリリースしてそこそこ使われていた機能を完全リニューアルし、旧機能をクローズした話を書きたいと思います。
どんな開発をしたのか
SmartHRの文書配付機能は、従業員と会社が締結する「雇用契約書」や「秘密保持契約書」から「給与改定通知書」など、あらゆる人事文書をクラウド上で配付できるオプション機能です。
SmartHRの中でも昔からある機能で、来年なんと5周年です!🎉(なにかやりたい。)
人事文書の締結業務は、誰が書類を配付するか、誰が契約締結後に確認をするのかなど業務の担当者や運用フローがユーザーによって異なります。
多店舗展開している企業でいうと、店舗のマネージャーや拠点の事務担当など、「契約締結業務は現場に任せたいが、そのためだけにSmartHRのすべての機能が使える権限は与えたくはない」という場合があります。
そういった、業務担当者が文書配付機能を使えるように文書配付機能の権限機能を全面リニューアルしました。
具体的には、文書配付機能のPMがテックブログで「2022年に印象に残ったリリース」として語ってくれているのでご覧いただければと思います。
PMMとしては何をやったのか
実は文書配付機能には、権限機能自体は既に存在していました。ただ、この機能の仕様が非常にわかりにくく、ユーザーの混乱を招いていたり柔軟性に欠けるなどの声をいただいていたりしました(それでも頑張ってユーザーが運用に乗せていて、既にそこそこ使われていると言った状態でした。)
今回のリニューアルにおいて、PMMとしてのミッションは、新しい権限機能(新機能)をリリースし、これまでの機能で運用しているユーザー全員を3ヶ月で新機能に切り替えてもらうためのデリバリーを行ない、従来の機能(旧機能)を閉じることでした。旧機能に慣れているユーザーに対して仕様変更をしっかり伝えて新機能に移行してもらう必要がありました。
SmartHRの既存プロダクトのPMMとしての役割・業務は以下のように分かれています。私は今回の開発では途中からPMMとして担当になったので「ステージ6」「ステージ7」の2つをやっていました。
具体的には以下のことを推進していきました。
おもに「コンテンツ制作プロジェクト」と「旧機能クローズまでユーザーの状況推移モニタリング」「仕様変更におけるユーザビリティテスト」について、触れようと思います。
早く、正確に、仕様変更を届けるためのコンテンツ制作
今回のリニューアルはリリースがゴールではありません。全ユーザーが旧機能から新機能に移行し、ユーザーがトラブルなく安定的に新機能を使って運用できることがゴールです。
一番あってはならないことが「これまで見えていなかった従業員の契約書類が急に閲覧できてしまった」こと。そして次にあってはならないのが「これまで出来ていたのに、急に何も見れなくなって入社対応業務ができなくなる」ことです。
そのために、ユーザーが旧機能との仕様の違いをしっかり理解して正しく新機能を使ってもらえるためのコンテンツを作成して届ける "コンテンツ制作プロジェクト"を立ち上げてPjMとして推進しました。
リリースする上でのコンテンツ作成はPMMでは当たり前業務(ステージ6)なのですが、プロジェクト化しながらコンテンツ制作を推進したことで、以下のようなメリットがありました。
どんな内容をどんな表現でいつどこに発信するかを一つのソースで確認できるようにしたので関係者の認識合わせができた
それぞれのコンテンツ制作陣と、PM/PMMと、現場感がわかるCS2名で、開発状況・社内発信・構成タタキなどをみんなでレビューをしたのでさまざまな視点での懸念を加味した上での良いコンテンツができた
デリバリースケジュール管理も一緒に行い、早めに公開した社内向けコンテンツや顧客向けクローズドコンテンツは他の制作に横展開できた
印象に残った動きとして、何度か重ねた社内説明会の内容をベースにCSのサクセスコミュニケーションチームが顧客向けのクローズドコンテンツを作成してくれました。
今回のリリースで難しいのは、どういう社内運用でどう権限設定を使っているかによって今回の新機能をどう使っていただくと良いかユーザー毎に変わることでした。そのため一概に「こうしてね」と伝えづらい中で、この資料は、自社がどういう設定をする必要があるかを事前にユーザーが把握してもらうためにリリースよりも1ヶ月以上前にクローズドで公開しました。
後々公開予定だった他コンテンツにも横展開したり、CSメンバーが迷わずユーザーに提案できたりなど、神資料となりました(拙い社内説明会の内容をここまでわかりやすくしてくれた制作陣、ありがとうございました…!)
できるだけ早く価値体感してもらうための旧機能クローズ
新機能をリリースしても旧機能が残り続けていると、せっかく設定終わって運用しているし…ということでなかなか新機能を利用してもらえないこともあります。そのため、便利になった新機能の方でできるだけ早く使って運用に載せてもらえるよう、締切ドリブンで「3ヶ月後に旧機能をクローズ」することにしました。(こういった背景もありできるだけ手厚いコンテンツを用意していました)
リリース直後から3ヶ月間、CSが自分の担当顧客の利用状況を確認できるダッシュボードを構築しました。CS Opsに協力してもらい「いま新旧機能どちらを使っているか」「新機能の権限設定がどの手順で止まっていそうか」「新機能を使ってみたものの旧機能に戻したのか」など、結構細かいところまで確認できるダッシュボードをLookerで作ってもらいました。
この細かいダッシュボードのおかげで、ユーザー状況毎にメールを分けて送ったり、担当CSに連携したりなど、クローズに向けた顧客対応がスムーズにできました。
ただ、モニタリング体制ができたとしても新機能に移行してもらえなかったら意味がありません。締め切りの最後の1ヶ月は「●%のユーザーがまだ旧機能を使ってます。状況の確認をお願いします!具体的には…」というのを社内の担当CSに発信し続けていました。
年末調整が本格的に始まる前に対応を完了させることでユーザー・CS・開発みんなが嬉しいと思い引いた強行スケジュールでしたが、最後2週間は本当にひやひやでした。もっと効率的にリマインドをかける方法もあったかなと後から思うのでここは反省点です。
仕様変更におけるユーザビリティテスト
今回の機能リリースは旧機能から新機能に切り替えてもらう必要があり、リリース後速攻で利用できるものではありませんでした。
なので事前に、文書配付の権限設定(旧機能)を既に利用しているユーザー何名かに Sensei コミュニティでお声がけし、迷わず新機能に移行できるか、躓くポイントはどこか、新機能を使ってもらえそうかを検証するためのユーザビリティテストを実施しました。
「ここが伝わらなかった」「このUIが迷うところだった」というフィードバックをリリース前にいただけたことで、修正したうえで無事リリースできました。ご協力いただいた2社様には感謝の気持ちでいっぱいです。
やってみてどうだった?
先ほど、あってはならないことが「これまで見えていなかった従業員の契約書類が急に閲覧できてしまった」ことと「これまで出来ていたのに、急に何も見れなくなって入社対応業務ができなくなる」ことだと述べましたが、実態としてはどうだったのか。
3ヶ月後に予定通り旧機能をクローズし、SmartHRの文書配付機能を契約している全ユーザーが新機能に移行しました。お問い合わせが来た際のフローも構築しましたが、その後温度感の高いお問い合わせもなくいまでは全ユーザーが新機能を使っていただいています。
あってはならないことが、ちゃんとないまま無事年末を迎えられて、ほっ!!!!!!としてます。(強い気持ちでクローズ進行してよかった…)
もちろんこちらの機能の更なる改善に関する要望などは中にもあるので、より使いやすくなるような機能改善は引き続き続けていこうと思います。
このリリースのおかげて「既存機能のリニューアルをする上でのPMMとして必要なこと」が見えてきたので、平準化して他のPMMにも展開できました。
新アプリのリリースはたくさん知見あったのですが、こういったクローズ系を進行させることも、SmartHRが事業としてもプロダクトとしてもどんどん大きくなる際には必要なことにはなるので、他のPMMにも役に立てるようにアウトプットしていこうと思います。
最後にお肉コーナー
細かすぎて伝わらないかもしれないPMMのお仕事を語ったところで、最後のおすすめコーナーです。
焼肉ホルモン金樹
この権限機能が無事リリースされた後に打ち上げで行った焼肉屋さん。
今回のリリースとクローズでは関わった人がかなり多く、さらに開発期間中にチームメンバーの変更もあったので、新旧メンバー総勢18名でいきました。やーーーーーおいしかった。
おすすめは、特上タン、上レバー、ハラミ、そして冷麺。タンとレバーはお店に電話して事前に取り置きしてもらうといいと思います。
来年も、たくさんお肉を食べるために働きます。
良いお年を!
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