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GT7 プレイレビュー

発売日にGT7(グランツーリスモ7)を購入してプレイした。
PS5はまだ入手してないのでPS4でのプレイである。カフェの店長が勧めるメニューブックをすべてクリアしたところで長い長いスタッフロールが始まった。ここまでがチュートリアルであとは好きに遊んでね、ということらしい。ここでひと区切りのようなので感想を書く。

前作GTS(グランツーリスモスポーツ)を年間600時間以上プレイしており、この新作に対する期待はそれなりに大きかったのだが想像していたよりも感動が少なくて、いまいちパッとしない印象を持った。ほかのプレイヤーも指摘している通り、映像美は前作のGTSとたいして変わっていない。映像についてはGTSの時点ですでに極限まで進化していたらしい。もはやリアルで美しいのはあたりまえ、それ以上の何かを求めていたけれど、それに応えるものはとくに無いようだ。PS5だと超絶キレイ!という感動があるのかもしれないがPS4ではそれがなかった。天候によってフレームレートが落ちることがままあってプレイしずらい状況になることもあった。これからチューニングして改善していくのだと思うが、フレーム落ちするレースゲームってどうなの?と思ってしまう。メインターゲットはPS5だ、ということなのだろう。
eSports向けに特化した前作とはちがって、GT7は初心者でも楽しめるようにつくられているようである。それはそれで仕方のないことのように思えるが、前作を遊びつくしてから移ってきたGTファンの視点で言わせてもらうと、残念なことにGT7はまるでGTSのリメイク版のようなのである。ゲーム内の要素や品質は変わらずに構成だけアレンジしてみました、みたいな内容なのだ。前作でやれることを全部やってしまったからもう新しいアイデアがないんです、と宣言しているかのよう。うーん、本当にそうなのかなぁ?と思ってしまう。

2017年に発売された前作GTSはオンライン対戦を軸にした本物志向のリアルレースゲームである。定期的なアップデートでサーキットや車種の追加を繰り返し、最終的にはサーキット30種、収録車種は331になった。いまだにドライブしたことのないクルマがたくさんあり、十分すぎるボリュームである。週ごとに変わるデイリーレースでフレンドたちと毎日オンラインレースを楽しむことができ、長きにわたってプレイし続けていても飽きることがなかった。なんて偉大なゲームなんだろうと思う。まさに神ゲー。
ところがである、今回登場したGT7は新しい要素がまったくない。なにも進化してない。なにも進化してないと言うと語弊があるので、進化してる点をあげておくと、1.サーキットの周辺の造形がつくりこまれて景観がさらに美しくなった。2.サーキットの天候がリアルタイムで変化するようになり、ほぼすべてのサーキットでレインコンディションを体験できるようになった。3.チューニングパーツを購入して着脱できるようになった。4.ウィングやワイドボディなど、クルマのドレスアップ機能が追加された。という程度で、それ以外に目新しい点は無い。サーキットがより美しくなってもっと写真撮影したくなるのは嬉しい進化だが、レース中に天候が変わって路面がウェットになるのはあまり嬉しくなかったりする。リアルっちゃリアルだがレースの爽快感が損なわれてしまいぜんぜん面白くない。ましてやそのせいでフレーム落ちしてるのであれば無いほうが良かった。チューニングも同様で、オンラインレースを気軽に楽しみたいのにめんどくさい手続きが増えてしまい、これってどうなの?と思ってしまう。クルマのチューニングがうまくないと速く走れないのだ。対人のレースはイコールコンディションのほうが絶対いいと思う。
レースゲームの面白さって、どうしたらもっと速く走れるのか?を探求することにつきると思う。クルマを攻略し、コースを攻略し、ライバルたちと走りの腕を競い合う。そのすべてがうまくいったとき勝利という形で報われるのだ。なのに、前作と同じクルマ、同じ操作性、同じサーキットだと、新しく攻略する対象がない。なにもない。すでに攻略し終えたものばかりが並んでいる。同じことを繰り返している感じがする。あれ?これってデジャブ?

久しぶりに前作GTSを起動してみると、いつものフレンドたちがラップタイムを競っていた。ああ、彼らもやはりこちらのほうが居心地がいいと感じているのかもしれない。
GTSの最初がそうであったように、GT7もこれから何度もアップデートを繰り返し、本当の進化を成し遂げていくのかもしれない。きっとそうだ、そうに違いない。ぜひそうであってほしい。

2022/3/17

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