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「私は私のままで生きることにした」

こんばんは。



私は私のままで生きることにした(キムスヒョン著)読みました。




韓国人のエッセイは初めて読むし、タイトルも素敵だし、Amazonのレビューも高評価だったので良いし、楽しみにしてた本。




が。



1/3ほど読み進めたところで、




…ん?なんかちょっとイライラすんな?




と気づき始めた私。
そして終始違和感を感じながら完読。




まずはタイトル(まあ人生いろいろあるけど結局私は私のままで生きてくしかないよね!ハハハ!的な明るさがあるのかと勝手に期待しちゃってたすまん)と内容に乖離を感じた。




生きづらすぎる韓国社会を、どう生きていくかというアドバイス的なことが書いてあるんだけど、なんか暗い。どことなく暗い。




全くうまく言い表せないが、キラキラリア充とか金持ちとか陽キャとかの人について、著者自身の色眼鏡の色がそれなりにきついというか濃い気がする。




たとえば、「もっと堂々と胸を張ろう」の項目では、


能力主義がもてはやされる社会構造(金がないのは努力が足りないからだという風潮)という話から、



でも、金持ちってズルして金持ちになってるよね、(ただ親の遺産もらっただけ、運が良かっただけなのに威張ってる!!)→→金持ちは抜け道使ったり弱者から搾取して金持ちになってるじゃん!から、で



真面目に生きてる私たちは、貧乏でもそれを恥じる必要ないよ、胸張ってこー!!!!


 

 

で、終わるのだが、




いやいや、金持ちに対する偏見すごない????




と1人ツッコミを入れてしまった。




抜け道を使うって何が悪いの?
弱者から搾取しているって、弱者が搾取することもあるよね?




そもそも金持ちと貧乏人って対立構造なの?




ってまあ、貧乏人は心が清くて金持ちは心が汚いという話にどうしても読めて、結構バイアスかかってる気がする。




韓国は確かに超学歴社会・超競争社会と風の噂で聞いてますが、まあそれは置いといて、そんな世の中単純じゃなくね?と思ってしまう。




そして何よりこの本を自分が貧乏だと思ってる人が読んだとして、これ………元気出ます?




私貧乏だけど胸張って生きてこ!!!!!

 

 


ってなりますこれ?
ならないと思うんだけど。




韓国は自殺者も多くて自由も少ないけど、それでも自分らしく生きようとか、金も学歴もないし顔も綺麗じゃないけど自分の人生に胸を張ろうとか、そんなこと書かれて、よし明日から頑張ろうとか思える人いるのかね?




で、たぶん、著者は貧乏とか学歴なしとか顔が綺麗じゃないとか、その辺のこと、それでもいーじゃん!と思ってるとはとても思えないんだよね。




たぶんほんとにいいと思ってる人ってわざわざ胸張って生きようとか恥を感じずに生きようとか言わないと思うんだよね。
だって本当に恥じてなければ、恥じるなんて概念すら浮かんでこないしね、そもそも。




だからさ、結局、劣等感に打つ手なし!!!!




的な感じがすごいして、どこの項目読んでも、まあそうっすね、としかならないのでした。
ソリューションなし。





みんな生きづらいけど頑張って生きてんだなーという多少の慰めにはなるのかな。
私1人だけ辛い思いして…って思っちゃってる時はいいかもね。




でも後書に書いてあるように背中を押されるわけでもなく、何か糸口があるわけでもなく…




思ってたようなエッセイじゃなくてちょっと残念でした、というお話でした、長なりました、すみません。

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