そんな終わり、そんな始まり(pixiv_2015年8月11日投稿)
通い慣れたバーの扉を開くと、カウンターで一人泣き潰れている男が居た。
顔見知りのバーテンダーが人懐っこい笑顔でそれを静かに聞いている。
目で「大丈夫か?」と問いかければ笑顔で頷いたのが見えた。
一つ椅子を挟んで左隣に座り、注文しなれた酒を頼む。
作ってくれている間、腕を組んでカウンターに凭れ掛かるようにしながら泣き潰れている男を見た。
上背は結構ありそうだ。
身なりも悪くない。
黒くそこまで長くない髪も清潔感がある。
すっと出される酒に手を伸ばし、こんな男がこんな泣き方するな