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「わたしたち」の帰属先としての自然とその時間感覚
meとus
この写真は今清澄白河のMOTで開催されている展示EUGENE STUDIO After the rainbow の作品の1つ、群像のポートレート。どこが群像?と思うかもしれないけれど、実はこの白いキャンバスの上に無限に指紋が押されていて、指紋の集合体になっている。作者はこの指紋1つ1つを個と捉えているよう。
「いまは個人の肖像画ではなく、人々、群像の肖像画が必要だと思った。」という説
福島県南会津郡 -さみしさの尾瀬
「夏の思い出」の有名な一節、「はるかな尾瀬 遠い空」という言葉は、尾瀬はいつでも明るい桃源郷のとうな場所だと思わせる。だけど、必ずしもいつも晴れているというわけではないよう。曇り空でどんよりと湿気た尾瀬に入り込んだときの違和感は、普段は溌剌としている人が突然表情に陰りを見せた時に感じる小さな衝撃と似ていた。急にその人の人生の異なる側面が見えて、その人を構成するものが立体的に浮かび上がってきてしまっ
もっとみる北海道美瑛町 空と丘のあいだ
一面のソバ畑。
人に見せるために植えられたわけではなくとも精一杯咲く花々の健気さには、花壇の花以上に美しさを感じてしまう。美瑛町は、空と大地のはざまにあった。
まふたつに世界をわけあうそのさまは壮大で、でも、境界線があるはずなのに不思議と調和を生んでいる様子には愛おしさも感じられる。
海ではないけれど、海と空が融けあって愛しあうという、ポールモーリアのLove is blueの日本語歌詞が浮かん
石川県小松市 日用の苔
真夏にも関わらずやけにひんやりとした一本の車道を車で走っていると、ふと山際にあらわれる。着くころには、街で身につけたざわめきが身体から抜けている。石川県小松市、日用神社。
そこは辺り一面苔の海。その苔の潤いは、触らずとも肌のうらにまで染み込んでくる。上を見れば背の高い杉。下にも上にもひろがる緑の世界はそこにある時空間を八方から吸い込んで歪めている。
人間がシカ除けや熊除けをならすように、どこか
ウリヤーナ・ロパートキナ - 瀕死の白鳥
『瀕死の白鳥』
ウリヤーナ・ロパートキナ
マリインスキーコンサートホール
終始一定のテンポで放たれ続けるハープの音色。
苦しみやもがきといった激しさと、やけに落ち着いた音色が生み出す空間は、どことなく奇妙で、観ている者に伝わりにくい何かを伝えようとしているようにも感じられる。
ハープの音色は美しくもあるけど、白鳥に降り注いだ変えられない運命そのものを表す、残酷の象徴なのかもしれない、と思う。
目に見える影響以外にも想いを馳せ、想像を膨らませる
…わからない。すべてはバランスなので、自分でも自分がここで書いていることが妥当なのかどうか判らない。門出シーズンで湧くなかでこんなことを書くことに怖さを感じるけれど、帰国後に東京を歩いて生じた心情と考えを素直に書いてみることにします。
・・・
1年の節目ということもあり、東京はお店もレストランも活気に溢れていました。人々の楽しい様子をみるに越したことはないと思う一方、どこか寂しさも感じてしまった自
縦の世界、そして、媒介としての空気
飛行機を降りるときは毎度、肌を包む空気が違うのを感じる。
どこがどう違うのかは説明できない。言葉にならないし、そもそもやみくもに言葉にしてはいけないような気もする。
空気は、その土地のあらゆるものの集合体だ。差し込む太陽の日差しの強さ、湿度、人の汗、食べ物、建物の質感。
そこにあるものすべてが混ざって、その土地固有の何かができあがる。
それが、空気だ。
定義とかそういうんじゃなくて、単純
10.4%という数字を考える
●日本の国会の現状(属性のバラツキの観点で)
日本の国会議員の比率は、
10.2パーセント(193カ国中165位)です。
(ここ1.2年でやっと2桁になった)
単なる数字でしょうとも思うけれど、意外とこの数字には目に見えない意味が存在するとも言えるかもしれません。
というのは、女性の割合がほんとうに「女性陣の行動様式」に変化を、ひいては「政策の質」に変化をもたらすには、それぞれに最低値が存
スウェーデンとの出会いを振り返る
スウェーデンの合意形成政治について論文(と言ってみるも実際は随筆みたい)を書き終えたので、これまでのことを思い返してみましょう…
スウェーデンとの出会いとなったのは大学1年の夏休み。ヨーロッパの国々を旅行していて、スウェーデンはその中で最後に訪れた場所でした。
長旅の終盤でそろそろエネルギー↓と思っていたところ、私はこの国に降り立つや否やある種の(良い意味での)ショックを感じ、途端に元気を取