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ヒッチハイクを通して人情味を感じる

八戸フェリーに着いて、寝ぼけ眼でヒッチハイク用のサインを書き、渋々外へ出る。もう6月間近とは言え、ここは東北、しかも早朝まだまだ寒く、霧靄がかかっていたことを覚えている。

この時点でもまだ半信半疑…まだ半ば信じられていない、今自分の置かれている現状を。多分まだ懇願していっと思うタクシー拾おうと…

そんな私のことを一笑して、手書きのサインを抱え、奴はヒッチハイクを始めだす。奴が親指を立て、必死に車を止めているのをみて、初めて覚悟が決まった気がする。

当時は、まだまだヒッチハイクは受け入れられていなっかたためか、なかなか止まってくれない。まあ今思うと、ヒッチハイクで、八丈島まで向かおうとしている、外国人と日本人には見えない私(当時の髪型はドレッド風)達を車に乗せようとは思わないわな。

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どれぐらい経ったかは記憶にないが、車が止まってくれた!
車は白のセダン、若い優しそうなカップルが乗せてくれることに。

未だにこの時のことは旦那と話す。

この優しそうなカップルは私達に、とにかく、私たちのことが心配で、とりあえず、このあまり人気のないフェリー乗り場から、少しは人通りのあるところまで出た方が良いと思って、とわざわざ戻ってきてくれたとのこと。

彼らは本当に申し訳なさそうに、あまり遠くまでは乗せれないけどと、こちらが逆に恐縮するほどの丁寧さで謝りながら乗せてくれた。

そして、春には美しい桜が咲くことで有名な、弘前公園まで乗せてくれた。5月下旬だったので、残念ながら桜は見れなかったけど、美しい公園であることは間違いがない。

弘前公園に着いて降りようとすると、彼らは「少し待っていてください」と懇願して何処かへ消えた。

数分して戻ってくると、温かい缶コーヒーが。なんて優しい人達なのと感激していると、何故か謝ってくる。

ごめんなさい!次の車見つかりませんでした。

旦那と私の頭は一瞬彼らが何を言っているのかわからず、思わず「えっ?」と聞き返してしまった。

車にノックして聞いて回ったんですがごめんなさい!」と丁寧に頭を下げながら謝ってくる。なのでごめんなさいということで、謝罪の缶コーヒーをくれた。

こんなに優しい人いる?

本当に私たちのことを心配してくれて、次の車を探し回ってくれて、この時の、優しく心が洗わさるような気持ちは、今でも旦那ともども覚えている

旦那はアメリカ各都市、アラスカからニューヨーク、シアトルからニューヨーク、そして、オーストラリアなどの、たくさんの地域でヒッチハイクをしてきたが、こんなことは初めてだと未だに感激している。

あの時の幸せそうなカップル本当に感謝しています

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旦那が予想していたのは、多分長距離トラックの運転手さんが拾ってくれるだろうと思っていたみたいだが、実際は、ほとんど普通の人たちが拾ってくれた。

拾ってくれた人たちと一生懸命話をしなくてはと思い、景色をあまり見ていないのがちょっと残念。
そして途中で思わず眠ってしまった時も…その時は旦那に注意された。ヒッチハイクのマナーとして、拾ってくれた人たちときちんと会話をするべき。一生懸命運転してくれているんだからと。

確かにその通り、そして私もそう思っていたんだけど、つい寝落ちしてしまったんです…スイマセン…

この日の早朝の時とは打って変わって、なかなかヒッチハイクを楽しんでいる自分がいる。ヒッチハイクも思ったよりも、すんなりといっていたと思うが、フェリーの時刻はひしひしと迫っている。

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もう、最後の方は旦那ともどもあんまり覚えていない…が、もうすでに辺りは暗くなり、少し焦りが出てきたところで、ちょうど東京方面に行く、長距離トラックの運転手さんが、拾ってくれたことを覚えている。なんてラッキー!

そして、話をしていて、八丈島行きのフェリーまで行きたいと運ちゃんに告げ、そして、奴とあとあんまり時間がないから、間に合わなかったらフェリーターミナルで寝るしかないと話をしていたら、その運ちゃんは、一言「任せとけ、必ずフェリーに間に合うようにしてやる。」と。なんて男気のある運ちゃんなの。

実際彼がどこまで行くのか、私たちのために遠回りしてくれたのかは実際覚えていない。

どれだけの距離かは覚えていないけど、約一時間ぐらい?私たちのためにスピード違反を犯しながら必死に飛ばしてくれた。

そして見事フェリー出発前に無事到着

慌ただしくてきちんとお礼も言えなかったけど、人とのふれあい優しさを感じた瞬間だった。


全部で4台の車で、八戸から八丈島行きのフェリー乗り場まで、半日以上かけて無事に着くことができた。

私たちのようなわけのわからないカップルを乗せてくれて、私たちのために必死に車を探してくれ、おやつの差し入れそして必死にフェリーに間に合うように飛ばしてくれた皆さん、本当にありがとうございました。

現在のようにスマホがない時代だから、写真を撮る暇もなく、拾ってくれ人たちの写真はないが、この日のことは、今でも旦那とのふとした時の会話に上がり、心が温まる記憶として残っている。





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