もうたくさんだ
有名な誰かが自殺したって話はもうたくさんだし、もっとたくさんの無名の人が自殺してるだろう。そんなセカイは嫌だ。
この前目覚めると妙な所にいた。男の人に
「ここがどこかわかりますか?」
と問われた。
「わかりません。」
と答えた。その人が言うことを聞くと仕事場で倒れたそうだ。領収証を書いていた記憶はある。数日前から体調は良くなかった。だが倒れそうだとかそういう記憶は無い。痙攣を起こし、同僚が咄嗟の判断で口内に指を突っ込み、近くの人が救急車を呼び、ドクターカーまで来たとの事。
妙な気分だった。
長い間希死念慮はあった。思春期のメランコリックな時期に夜間救急の世話になったのも複数回あったし、閉鎖病棟に長い事居た。世界なんて破滅すれば良いのにといつでも思っていた。
ERでは点滴されたかと思えば血を抜かれ、CTを受け以上無しとの診断を受けた。
妙な気分だった。
貴方は今から死にます、とでも言われたら良かったのか。わからない。
「ひきつけを起こしたみたいだね。明日診察予約あるんだ。そっちの先生が詳しいから詳しくは明日。入院しても良いけど?」
帰ります、と拒否した。なんかめんどくさそうだし。たいした事無いのに入院するのがダサく思えた。
緊急搬送されてみてもやっぱり死にたかったし、死に損なった様でみじめだった。
何処かの誰かが自ら死を選んだとの報道を見ると辛い。
他人の死で、自らの生を痛感する。
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