小説「窓」 プロローグ

街灯が照らす足元に、砕け散ったガラスの破片と横たわる男

先刻の騒ぎが嘘のように静寂が辺りを包む

停止していた風景
だが、暫くすると男から流れ出てきた血液が辺りに広がっていく

男の背中に、まるで世界を飛び回るスーパーマンのマントのようなシルエットが形成されていく

マントがおおきくなるにつれ、徐々にゆっくりとなる鼓動

それに合わせるかのように点滅する街灯

男は闇の中に現れては消えていくのを繰り返し、最後には暗闇に包まれその姿を消した


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