ななしのごんべえ

思ったこと、空想、アイデアを気まぐれに書いていきます。 高ぶる感情は創作の源。 お酒は…

ななしのごんべえ

思ったこと、空想、アイデアを気まぐれに書いていきます。 高ぶる感情は創作の源。 お酒は想像力のブースター、時に足枷。

マガジン

  • 小説「窓」

    ちょっと不思議な話。気まぐれに更新。

  • 散文「苦杯」

    私個人の失恋とその後悔からの産物。 心の瓦解から再生まで。

最近の記事

写実主義

絵が得意なあなた 色彩の欠いた私の日常を艶やかなものに変えてくれた 何もないはずの場面ですら、鮮やかなものにしてくれる まるであなたの描く絵の中に入り込んでいるみたいに 時に絵の具が無くなることもあるだろう でも、そんな時は私が持ってくる だから、このままずっと見ていたい あなたが描く世界を

    • 苦悩の山

      苦悩は、人を終わりのないように思える深淵へ落とすことがある そんな時に見聞きする楽観的な他人の考えや、苦悩を忘れるような意見 それらは自分に届くことは殆どない 彼らが悪い訳ではない その深淵に未到達の者達には、所詮は想像で話すしか無いからだ 山登りをしたことのない人物に、山頂に行くまでの辛さや過酷さが分かるはずもないことと同じ 登るためには自分で進むしかない その先に開けた世界があると信じて

      • 書き起こしても伝わらない幸せ

        少しくしゃくしゃになった髪 手ぐしで整えるあなた 見つめていると気恥ずかしそうに目を逸らす 口元にはにかみを表して それをたまらなく愛おしく思い、抱きしめた 照れ笑いをしながら、あなたはそっと抱きしめて返してくれた 「好きだよ」 このまま時間が止まればいいのに

        • 80km

          今まで遠くに思えていた距離 あなたがその先に待つとなれば、ほんの散歩の道のりへと変わる 「今日は何を話そう、どんなものを見よう、何を食べよう」 そんな高揚感を抱え、急足であなたがいる場所へ 小脇にあなたの好きなお菓子を置いて

        マガジン

        • 小説「窓」
          6本
        • 散文「苦杯」
          108本

        記事

          高揚感

          一歩踏み出すごとに、宙に浮くような感覚 抑えようとしても制御出来ない あなたに近づくにつれ、徐々に重力が減っていく もはや月面を歩いているような感覚 もしもこのままあなたに会ったら、私はロケットのように天に向かって飛んでいく気がする

          女神

          気付けば思い浮かべるあなたの笑顔 写真を見返し、釣られて笑う 会ったばかりなのに、もう次に会うことを考える 何処に行こう、何を食べよう でもそんなのもただの口実 ただ会うだけでいい それだけで安らぎを与えてくれる そんなあなたに会えた偶然 もう一生の運を使い切ったのではと不安になる でも、それでもいい あなたがいれば運はいらない これ以上に運が必要なことは多分ないから

          暗闇

          暗闇の中を進む 何も見えない恐怖に怯えていると、ぼんやりと輝く何かが近づく 手を差し伸べると、握り返した 正体もわからぬまま、導かれる その手の温もりは私に安心を与えた これで良い 全てを委ねて進むんだ

          想い

          明日が嫌だ 貴方に会うのが待ち遠しいから 今すぐここから駆け出して 貴方がいる場所に行けたら こんな風に考える自分が気恥ずかしくて でも楽しくて そう思っていると貴方からのメッセージ 内容は実はという出だしから、今思っていることを伝えてくれていた 殆ど私と同じだった 驚いた私も伝えてみると、なら良かったと返した貴方 やっぱり明日は嫌だ 貴方に今すぐ会いに行く

          薮から

          私の中に渦巻いていた不安 貴方はそれを照らし、私の中から追いやった 僅かな時間で分かった 私が求めていたものは貴方だった 予測もしないところから飛び出してきた これからも楽しい何かがどこからか飛び出してきそうだ

          風邪

          全身を包み込む倦怠感 節々の痛みと一緒になって、私をその場に留める 目を瞑ると感じるいつものアレ 左脳の少し上に迫る巨大な鉛筆 私の脳に何かを書き出すつもりなのか? 途端に圧縮されるような恐怖を味わう 恐ろしくなり目を開けるといつもの風景 そしてまた繰り返す

          思い出し

          帰り道にふと思い出した 何気ない会話の中の冗談 笑いが込み上げると同時に、また会いたいなって思う気持ち これがずっと続けばいいな いや続けられる 私達なら

          雪と恋

          曇天が街を覆い 雪が降り始めた 寒さはいっそう深まり 芯から冷えそうになる だが私の心は貴方への想いで溢れ さながら全てを溶かす情熱の炎 寒さなど全て吹き飛ばす 「恋をするってこんな感じだったな」

          恋心

          次会う時は何をしよう その言葉で私はたちまち調べ始める 何か少しでも良いところがないか あちこち調べ、何か特別な印象の残る場所を探す なかなか無い 焦りが顔を覗かせる そうしていると返ってきた言葉 「でも、ただ話すだけでも楽しいからどこでもいっか」 その言葉は私を覆っていたものを取り攫った そして、どうしようもない愛おしさが湧き出てくる もしこれがお互い同じ気持ちだったら、何と幸せなことだろう

          心の視覚化

          突然来たメッセージには、想像していなかった内容 その文字達は私を真っ直ぐに見つめ、向き合おうとしているように思えた 私も思いの丈を打ち明けた 程なくお互いの送った文字は、お互いの中に溶けていった そして溶けた文字は、私たちを磁石のように向き合わせる結果となった そして、次は一歩歩みを進めていくだろう さてどうなるやら楽しみだ きっと良い方に進むはず

          電話

          ちょっとした話をするだけの電話 大した話題も持ち合わせていない私 次に何を話せば? 回し車の如き私の脳 引き留めるものは無いかと必死になる すると返ってきた言葉 内容は特段変わったことでは無い ふと我に帰る 何か特別な一手になるものを探していた でもそれはお互い今は求めていない ただ少し話したかっただけ その何とない会話を少し続けて、切り終わる 終わった後に疲れ切っていた私の心は、少しだけ安らいだ

          青天の霹靂

          長らく曇り時々雨だった私の心 そこに差し込んだ一筋の光 それは少しずつ広がり始め 雲を裂き、雨で濡れていた地面を乾かしていく やがて地面から新たな草花が伸びてくる そして辺り一体を心地良い草原に変えるだろう そんな存在なんだ、貴方は