野を生きる獣と鳥の味
九州での狩猟を志す私は今のところ中型獣(アライグマやアナグマ)をメインターゲットに据えているが、まだ食べたことのないイノシシ肉の味が気になっていた。
私が拠点にしたい杵築・国東ではイノシシがよく獲れるそうなのだ。
そんな訳で、野生鳥獣(いわゆるジビエ)を扱う焼肉店を訪問し、イノシシに加えてエゾシカ、キジ、アイガモも食べることができた。
イノシシ
まずお目当てであるイノシシだが、カルビ(アバラ肉)をいただいた。食べた感じはほぼ豚肉だが、ブタ臭さもなく脂はサクッとした食感で重く残らない。ずっと食べ続けられそうな、とても美味しい肉だ!
ジビエは獣臭いと言われていることがあるが、日頃最安の輸入肉を食べている私からすると市販されている豚肉の方が豚臭がある。
個体や処理の仕方が素晴らしいのだと思うが、ピカイチのイノシシ肉は市販品を大きく上回る美味しさだ。こんな美味い個体もかなり廃棄されているのだと思うと、本当にもったいない…
エゾシカ
エゾシカはカルビ(アバラ肉)と赤身肉(モモ肉)をいただいた。シカは脂が少ないものだと思っていたが、カルビはしっかりと脂がのってジューシーだ!では赤身肉はどうか?…美味い。オリーブオイルに漬けて提供された薄切りの肉だったので調理にもよるのかもしれないが、全くパサパサしていない。
カルビも赤身肉も臭みは全くなく、旨みがしっかりとある。よく焼いた場合の食味は牛より好みで、これもまた素晴らしい肉だ。
今回食べることができたのはエゾシカだったが、他のシカも同じような味わいなのだろうか?
杵築・国東付近で獲れているシカも食べてみたい。
キジ
部位は不明だが、塩焼きでいただいた。豚肉と鶏肉のハイブリッドのような食味だ。歯ごたえがあって、鳥なんだけど豚肉のような食感だ。脂ものっていて美味しい!
野を自由に飛び回るから、ゲージの中に閉じ込められているブロイラーとは筋肉の質も全然違うのかもしれない。
臭みも全然なくて食材としてはすごく素晴らしいんだけど、自分で獲るなら銃が必須だし、羽むしり処理が大変な割に過食部が少なそうな点も気になるところ。
アイガモ
フィレを塩焼きでいただいた。こちらは牛肉と鶏肉のハイブリッドのような食味で、食べ応えのある味わいだ。臭みもなく、脂がのっていて美味しい!
キジは明らかに歯ごたえがあったけどアイガモはそうでもない。やはり飛翔の頻度が高いほど歯ごたえが強いのかもしれない。
まとめ
今回は野生鳥獣を含む4種の肉をいただいた(おそらくアイガモは野生ではない)。苦手なものもあるかもしれないと思っていたが全くの杞憂で、どれもが臭みもなくそれぞれの美味しさを持っていた。適切に処理厳選された肉はこうなのだというゴールを知ることもできた。
野の肉だって獣も鳥も美味だった!そして、普段牛・豚・鶏しか食べることのない私にとって、鳥獣の肉はこんなにもバリエーションに富んでいるのだということが嬉しい発見だった。狩猟によってそれを日常にできるかもしれないという可能性もまた、胸を膨らませてくれる。
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