見出し画像

短歌/やがて秋


ただ一度、猫をなでただけの路地昨日までとは違って見える

自転車とキックボードでスーパーへ 町はコンクリートで蒸して

にんげんに遠くに飛ばされるための舌触りだと思うスイカの種

手放したい石を並べて二人きり日曜午後のフリーマーケット

ためらいのない寝息を見つめてる ゆるされていてもそうあれないこと

やがて秋、すべてを夜長のせいにして月下美人はふくらみ続けた

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?