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カブール陥落その後

アフガニスタンからアメリカ軍を中心としたNATO軍が撤退したのは2021年8月でしたので2シーズン経過してます。其時、タリバンが国際的に宣言した項目の一つがオピウムの生産禁止です。麻薬による悲劇は枚挙に暇が無いので、国際社会も歓迎してた様ですが、実施に猜疑的な見方も有った様です。それが、昨年(2023年)に国連がサーベイを行なっていて、アフガニスタンのオピウム生産は2021年と比べて実に5%に迄減少したそうです。下の図はそのレポートからの引用ですが、其気が有ってやれば麻薬の中断も出来るって証明ですね。

Afghanistan opium survey 2023

此グラフでも一つ興味深いのは同じ様な減少が2001年にも有った事です。この時もタリバンが、アフガニスタンの政府を掌握してオピウム生産禁止を実施しました。それで、慌てたのが、大量の麻薬使用者を抱えてるアメリカと欧州です。オピウム供給が滞ると大変な事になるって、ブシュ大統領が、NATO軍の傘の下にアメリカ軍を派遣しアフガニスタンを占領しタリバンを政権から追い出した。製薬会社が白人社会に如何に大きな力を持ってるか示す挿話です。因みに、白人社会で問題になってるオーバードーズ(過量投与)は、痛み止めの処方薬 (麻薬) の使い過ぎによる呼吸抑制による死亡です。勿論、処方薬を処方するのはお医者さんで、処方薬をお医者さんに屆けるのは薬屋さんです。

ところで、アフガニスタンでの生産が減った分どうなったかと見れば、ミャンマーが増産してる様です。クーデターとか血腥い話が多いと思ったら、そういう事だったんですね。今やミャンマーが世界で唯一のオピウム産地です。麻薬にはお金、それも得体の知れ無いお金が付いて来るって証拠です。住民にとっては不幸な話ですが、偉い人達は良い思いをしてるのでしょう。

因みに、向精神薬で幸せになるのは、何の薬でも良い訳で無く、人其々に嗜好が有って、簡単には代替が効か無い。きっと、世界中のオピウム使用者がミャンマーに注目してます。

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