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『未来を築く、健康経営』とは? 10年後は今からはじまっている

8月28日開催の「健康経営会議2024『未来を築く、健康経営』‐これから10年先の健康経営を考える-」にオンライン参加しました。

ご講演のメンバーは豪華ですね。内容もとても充実していました!

なんといっても面白いと思ったのは、パネルディスカッションで、
「労働衛生は今後どうなっていくのでしょう」という、山本氏からの質問に、
岡田氏が「兼業、副業など働き方が多様になり、今までのように労働時間など、企業が産業保健として個人の働き方を把握するのが難しくなる。これからは、個人が自分でかかりつけ産業医を選び、自分で健診を受け、就業できる状態なのか働く場に提出するといったことになっていくかもしれない。個人の責任が重くなり、セルフケアに重点が置かれる、労働衛生も規制から自発的なものになるのでは」
と話されていました(たぶん……)。もう今までの労働衛生の考えの延長上にない、まさに未来の「働く人の健康」のお話でとても刺激的でした! そして、10年後とは、未来とは、いまこの時点からつながっていて、いまできることからはじまっていることに気づきました。
他にも、岡田氏は「働く人が働きたい気持ちを持ち続けられる会社、信頼される会社になることが大切」と話されていて、その通りだなあ、と。

ご講演の中で印象的なところを、それぞれ少し(あくまで私感です)。
(上記もそうですがヤワな記憶なので、内容を取り違えていたらごめんなさい。興味のある方はオンデマンド配信が今後あるようなので、そちらをぜひご聴講ください)

渋澤健氏
渋澤栄一氏のことばである「正しい道理の富」について。正しい道理とは、悪いことをしないだけでなく、社会の課題を解決し続けることで富を生み出すこと。企業には数字であらわれる見える価値(過去の価値)と、見えない価値があり、見えない価値が「人からの創造」(未来の価値)。この「人からの創造」という人的資本の情報を開示していくことで、10年先を見据えた未来志向の企業に投資していく。

岡田邦夫氏
生産人口数の減少から、まさにいまは社会の変化に対して、適応できるように「突然変異」すべきとき。労働者ひとりひとりが高パフォーマンスの人材として育てていくことが大切。経営者は無形資産である人財に投資し、管理職は人材を育て、働く人側も自分に自己投資(セルフケア)していくべきでは。

古井祐司氏
健康経営においては、何をしたら健康経営になるかでなく、健康経営によりどんな企業になりたいか、という企業の主体性が重要。好事例でもそれぞれの企業文化に応じた独自性の取組をしている(外国人を多数雇用している200人規模の企業の独自性の高い健康経営の紹介)。また企業内だけでなく、健康経営をこどもや大学生が学ぶことで広がりをみせている。
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山本雄士氏
健康経営の実践のためには、戦略と戦術の2つのPDCAを分けて考えて回すことが必要。戦略のPDCAは事業の配分。保健事業全体の最適化と、保健事業費・リソースの配分・投資先を改善すること。戦術のPDCAは事業の進捗。保健事業ごとの最適化、事業の効果を測り、誰に、何を、どのように、を改善する。今後は既成の枠組みを取り払い、企業自身が戦略を考えていくことが必要。

森晃爾氏
「知覚された組織支援 Perceived Organizational Support (POS)」とは、組織が自分の貢献を価値あるものと評価し、自分のWell-beingを気にかけているのかについて個人が形成する包括的な信念のこと。健康経営により従業員のPOSが向上することで、健康問題による生産性低下が改善し、職職場の信頼協力関係の醸成することで、経営上の成果に結びつく。健康経営の推進には、このように事業と健康経営のベクトルが同じ方向を向いていることが重要。
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最後に、
モデレーターの方の進行の仕方や内容のまとめ方、話しの振り方など、とても素晴らしく、良いセミナーになるには、モデレーターが重要なことも再認識しました。

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