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【新規開校】ボーダーライン・グレーゾーンの子どもたちに特化した学習塾を開校します。

皆さん、はじめまして。

学習塾ミチビキ塾長の遠矢(とおや)です。

このnoteを読んでいただき、ありがとうございます!

2024年5月1日に、ボーダーライン・グレーゾーンの子どもたちに特化した家庭訪問型学習塾「学習塾ミチビキ」を開校しました。

ボーダーラインやグレーゾーンの定義はかなり難しいので、確実にボーダーラインやグレーゾーンに該当していないと入塾できないということはありませんが、そのような特性を持った子どもたちはぜひ入塾してほしいなと思っています。

この記事ではボーダーラインやグレーゾーンについて、そしてなぜボーダーラインやグレーゾーンに特化した塾を開校したのかについて話しています。


※具体的な塾の方針や授業内容は別記事に書いてあります↓↓↓


※入塾までの流れはこちらから↓↓↓






「ボーダーライン」「グレーゾーン」って?


「ボーダーライン」「グレーゾーン」って何?と思われる方もいると思います。ネットで検索すると色々な定義が出てきますし、主に「障がい者グレーゾーン」だけの文脈で使われることが多い気がしますが、私がここでいう「ボーダーライン」や「グレーゾーン」とはどのようなことを指すのか。

一言で言うと、

「マジョリティとマイノリティの”境界線”付近にいる人々のこと」

です。

マジョリティとマイノリティの”境界線”にいるボーダーライン

この世の中には「マジョリティ(多数派・健常者)」と「マイノリティ(少数派・病気を抱えている人、障がいやLGBTQなどの特性を持っている人)」がいます。

近年、マイノリティへの理解はかなり進んできていると思います。障害者雇用の促進が図られたり、マイノリティの人にスポットライトが当てられている映画やドラマ、ドキュメンタリー、昨年話題になったジェンダーレストイレなどのメディアの影響などでマイノリティの存在が昔よりも見えやすくなったため、その分マイノリティへの差別や偏見なども減ってきていると思います。


しかし、マジョリティとマイノリティの“境界線”付近にいる人々はどうでしょうか。例えばこんな人々です。

  • 持病があるが、普段の生活には基本的に支障がない(特定の状況で発症する)。

    • 軽度な喘息、てんかん、月経困難症、解離性同一性障害などの精神疾患、閉所・高所・先端・失笑恐怖症など

  • 障がい者手帳は持っていないが何らか障がいがある可能性がある(障がい者グレーゾーン)。

    • 耳が聞こえづらいが身体障害とまでは認められない。

    • 物事を理解するのに少し時間がかかるが知的障害とまでは認められない。

    • 周りとうまくコミュニケーションが取れずあまり馴染めないが発達障害とまでは認められない。

    • ADHD傾向にある。

  • HSP(繊細さん)で人と長時間関わるのが苦手。

  • 実は性的マイノリティ(LGBTQ)当事者だが周りにはカミングアウト出来ていない。

  • ヤングケアラー、きょうだい児、ひとり親など家庭に閉じた問題。


このような人々に共通することがあります。

それは、

自分では何かしらの違和感や周りとの違いを感じ、生きづらさを抱えているけれど、他人から見てもあまり問題を抱えていないように見えるのが特徴だということ。

周りからは何か思われたとしても、「少し変わった人」と思われる程度であり、こんな辛いことがあると例え打ち明けたとしても、なかなか理解されません。

また、当人でも自分自身のことを理解することに苦しんでおり、これからどう生きていけばいいのかが見えていないこともあります。


ボーダーライン特有の課題


①SOSを発しづらい(生きづらさが潜在化してしまっている)

ボーダーラインの人々は、生きづらさを抱えているのにも関わらず、「周りの人を心配させたくない」「まわりと同じがいい」「別に大したことない」「もっと助けられるべき人がいる」「相談してもどうせ解決しない」「相談することが恥ずかしい」などと思い、誰にも助けを求めない傾向にあります。そのため、現状ある福祉や周りの人のセーフティネットにも引っかかることなく、生きづらさが潜在化しています。


②世間から問題であると思われていない・理解されていない

問題が潜在化しているため、世間からそもそも問題であると認識されていません。認識されたとしても、「どうせ大したことない」「病気のせいにするな」という見方をされたり、特別扱いするか無理に平等に扱うかの両極端な対応をされたりします。まだまだ自己理解と他者理解のギャップが大きいのが現状です。


③助けを求めたくてもどこに助けを求めればいいのかわからない(制度不十分)

世間から問題として認識されていないため、当然サポート制度も整っていません。ボーダーライン人のキャリアプランは明確化されていないし、居場所も自分にぴったりなところはないので「まあここなら少しは居れるかな...」と思った場所で“妥協”しながら今も尚生活していることが多いです。


④危ないグループに巻き込まれるケースがある

ボーダーラインの人へのサポート制度が整っていないため、生きづらさを解消する行き場を失い、辿り着いた先が危険なグループであったというケースがあります(具体的にはマルチ商法・カルト宗教など)。心の弱い人に漬け込む、極めて悪質な行為です。


ボーダーラインの、実際の悩み。


ボーダーラインの子どもたちはどこにどのくらいいる?


①子どもの不登校数や自殺者数

国をはじめとした様々な機関が子どもの不登校及び自殺防止対策に動いています。いじめ相談窓口や児童相談所の設置、学校ではSC・SSW配置、NPOでは子どもの居場所支援など、ここ数年で急速に進んでいる事実があります。しかし、子どもの不登校数や自殺者数は年々増加しています。また、UNICEFの調査によれば、日本の子どもたちの精神的幸福度はOECDとEUの諸国の中で最低水準であり、他の国々との比較からもこの問題の深刻性が浮き彫りとなっています。子どもの不登校数・自殺者数が減らない原因に、「他人から見ても子どもが抱えている問題を見つけることができず、救いの手を差し伸べられていないこと」が一つ考えられます。つまり、「ボーダーライン」に該当する生徒である可能性があります。

不登校数・自殺者数・幸福度ランキング


②発達障害(ADHD,LD,ASD)グレーゾーンの推定数

・通常学級に在籍する小中学生の8.8%に、学習面や行動面で著しい困難を示す発達障害の可能性があることが文科省の調査で明らかとなっています。つまり、小中学生は約900万人いるので、うち約80万人の小中学生が発達障害グレーゾーンの可能性があると言うことになります。

・通級(通級指導教室)の小中高生数は13万人以上おり、毎年1万人ずつのペースで増加しています。通級の需要が増えていることからも、グレーゾーンの人が増えていることがわかります。

・医師から発達障害と診断された者のうち、2割以上が障害者手帳非所持者です。障がい者手帳を所持していない人の中には、軽度な発達障害であるから手帳を所持する必要がないと、手帳の申請をしない人がいます。したがって、障害者手帳非所持者にグレーゾーンの人が多くいることが推測できます。


③その他ボーダーラインに該当するであろう人の推定数

・HSP(繊細さん)→5人に1人が該当すると言われています。

・性的マイノリティ→LGBTは約13人に1人の割合でいると言われています。

・軽度気管支喘息→約300万人が該当すると推測されます。

・恐怖症→10人に1人の人が精神病にかかると言われています。

・月経困難症→5人に1人の人が痛みを我慢し、婦人科を受診されると言われています。

・てんかん→1000人に5~8人の割合でいると言われています。

・ひとり親家庭→母子世帯数は 119.5 万世帯、父子世帯数は 14.9 万世帯(令和3年度厚労省全国ひとり親世帯等調査より)


なぜボーダーラインやグレーゾーンに特化した塾を開校したのか


①私の家族の存在

私の家族は父・母・妹2人・私の5人家族です。両親はともに持病がありますが、日常生活にはそこまで支障をきたすことは無いので、定期的に病院に通い、普通に生活をしています。また、次女も生後すぐに肺に腫瘍が見つかり手術をしていますが、今は問題なく生活しています。そして長女は軽度な自閉症を持っています。中高生の頃はいじめに遭い大変な思いをしていましたが、今は友達にも恵まれ、問題なく大学生活を過ごしています。そして自閉症の妹を持つ“きょうだい児”であった私もかつては誰にも相談することができず苦しんだ時期もありましたが、今は自分に向き合い、問題なく楽しく過ごしています。

私の家族全員に共通することは他人から見てもあまり問題を抱えていないように見える「ボーダーライン」に該当するということです。一番自分に近い存在である家族が抱えている問題であることが、この問題に取り組んでいる最も大きな原体験となっています。


②ボーダーラインの人に対する周りの接し方を見てきたこと

私は幼少期から今まで、色々な場所で過ごしてきましたが、どこに行ってもボーダーラインの人に対する接し方は冷たいと感じます。電車の中で自閉症の人を変な人だなあという目でジロジロみる人、学校の体育の時間を欠席する人(喘息が理由)に対し「なんでいっつも休むの?」と聞く無神経な人、勉強がなかなかできない(LDの疑いがある)子どもに対して「なんで普通にできないの?」としびれを切らす先生、「お前すごいじゃん〜」と言いつつも裏で小馬鹿にしている友人。近年は障がい者理解なども進み、攻撃的な態度を取る人は少なくなってきたものの、避けたり冷たくしたり無視したり裏で弄ったり、遠回しに攻撃する態度を取る人が増えてきていると感じています。「攻撃しなければいいんでしょ」、そんな考えの人は理解が進んでいるとは到底言えません。ボーダーラインの人への見方を本質的に変えたい。そんな想いが現在の活動に繋がっています。


③ボーダーラインの人は思いの外たくさんいるということ、そして十分な教育が行き届いていないということ

私は今まで様々な教育機関で講師をしてきました。おそらく100人以上の生徒とは接してきたと思います。当然いろんな個性を持った生徒がいますが、各クラスに1人か2人は必ずと言っていいほどボーダーラインに該当するであろう子どもがいます。なかなか席に座っていられない子、逆にずっと静かにしているが一切喋ろうとしない子、数学以外一切興味を示さない子、テストになるとパニックになってしまい何も解答できない子、体調が安定しない子、突然泣き出してしまう子などなど。挙げたらキリがないほどです。しかしながら、それらの子どもたちへあまり接したことのない講師は対応に困り、十分な教育を提供できていないのにも関わらず教室に通い続ける状態。現状の教育現場ではボーダーラインの生徒に対する理解やサポートが十分になされていないことを身をもって体感したことから、現在の塾を開校しようと思いました。




ここまで読んでくれた人なんているのでしょうか…

簡潔に書こうとは思っていましたが、思いの外長くなってしまいました…すみません。

最後に一言だけ。

マジョリティ、マイノリティだけじゃない。

”どこにも属せない人”が、居場所や学習する場、進路などに困っている現状があること。

まだ世の中がサポートできていない「ボーダーラインの子どもたち」を、この塾で全力でサポートします。


2024.05.01  学習塾ミチビキ塾長 遠矢勇輝




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