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祖母への手紙その6尾瀬へ

地元山口のケアハウスで暮らす祖母に、時々手紙を書いています。

おばあちゃん、元気ですか。先日、実家の畑から枇杷が届きました。初夏の香り。おばあちゃんのところにも届いたでしょうか。私に送るばかりで、お父さんもお母さんもまだ食べていなかったようです。「味見してみてよ、美味しかったら近所に配るから」と言っていました。甘味はそれほどでもなかったですが、みずみずしい果肉でした。
先週だったか、出張先の松本から送った絵葉書、届きましたか?撮影で訪れたレトロな喫茶店でいただいたものです。常連さんがそのお店を描かれた絵が元になっているそうです。そういえばおばあちゃんも、厚狭駅前の喫茶店の常連でしたね。やよい、だったかな?そこでおばあちゃんが習ったとかいう、パンにあらかじめバターを塗ってからトースターに入れるやり方、私も今も実践していますよ。カリッと揚がったみたいになって美味しいです。やよい、今もあるかしら。
そうそう、昨日、尾瀬ヶ原に行ってきました。尾瀬を囲む至仏山、燧ヶ岳には登ったことがありましたが、尾瀬ヶ原を一日じっくり歩いたのは初めてでした。素晴らしいお天気で、前を見ても後ろを振り返っても百名山という贅沢な散策になりました。たくさんの池塘に、それぞれに逆さ燧、逆さ至仏が映えて、水芭蕉は終わりかけでしたがイワショウブは咲き始め、小さなヒメシャクナゲもたくさん風に揺れて、天国かと思いましたよ。おばあちゃんも、私が東京にきたばかりの頃に、お母さん、池田のおばちゃんと一緒に尾瀬へ行っていましたね。尾瀬へのバスに乗る前に羽田空港で会って送り出し、帰りにまた羽田へ見送りに行くと、なんとおばあちゃんの腕には三角巾・・・びっくりした私が「おばあちゃんどうしたのそれ!?」というが早いか、バシーン!と肩を叩かれました。転んで腕の骨を折った割には元気なおばあちゃんだなあ、、、と思ったものです。あのときの傷はまだ痛みますか。何年経っても、「腕が、ちょっと・・・」と言っていましたね。また一緒に温泉へ行って、腕をほぐして、のんびりしたいですね。
尾瀬の写真を少し送りますね。雪がまだ少し残って見えるほうが至仏山です。尾瀬は熊が多いそうなので、念の為熊鈴を持っていきました。この熊鈴、Mちゃんのところのなっちゃんが前にプレゼントしてくれたものなんですよ!なっちゃんももう今年から中学生、会えないけれど入学祝いにスニーカーを贈りました。なっちゃんが小学校に入学したときには、私が一輪車をプレゼントしたこと、覚えていますか?厚狭の町にも持っていって乗り回す、小さな暴走族でしたね!
おばあちゃんも、新型コロナのワクチン接種が終わったと聞きました。おそらく私ももうすぐでしょう。この夏はそっちへ帰れるかな。会えるのを楽しみにしています。それまで元気で。   未知
2021年6月11日

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