壮年ノンフィクション【眼鏡珈琲】

眼鏡珈琲と申します。 41歳工場勤務、妻子持ち・住宅ローン有り、生活も収入も普通。 壮…

壮年ノンフィクション【眼鏡珈琲】

眼鏡珈琲と申します。 41歳工場勤務、妻子持ち・住宅ローン有り、生活も収入も普通。 壮年ノンフィクションと銘打ち、普通だからこその視点で壮年期のリアルを綴ります。

最近の記事

夏の終わり

「あっ、俺、夏好きだわ」 ここ数年で気付いてしまった。 昔はそんなでもなかったが、歳を重ねて感覚が変わってきたのだろう。 昼間は地獄のような灼熱なのに、日が暮れてくると短パンの裾からすり抜ける夜風の気持ち良さったらない。 そんな夜風が恋しくて、バンアパのライブを観た帰り、無駄に渋谷〜新宿間をレンタルチャリで爽快にクルージンしてみた。 しかしそんな愛しの夜風がドライアイの俺の目を過剰に乾かしてくる。目が痛え。 俺は夏を愛していても、向こうは愛してくれない所も好きである。

    • 時速40㎞

      Twitterで今年の残り日数というBOTをフォローしていると、今年の残り日数が0時になるとツイートされる。 「え?もう2023年残り60%ちょい!?」 と、驚く毎日。 この歳になると瞬く間に時が過ぎていく。 とある休日、夜な夜な同級生の友人達とサウナを嗜み、帰り道に立ち寄った24時間営業の中華料理屋での会話だ。 『積立NISAが‥』 『住宅ローンが残り何年で‥』 『60歳で満期になる保険が‥』 『株の運用で老後の蓄えに‥』 なんて話が自然と出てくる。 しかし数分後の会話

      • 金銭感覚

        先日、某テーマパークへ行ってきた。 キャラクターが全面に推されたテーマパークで、推しでもいない限りなかなか行くことがなかった場所であった。 しかし息子がNetflixで某キャラを好きになったのと、とあるルートで安く入場券を手に入れた事をキッカケに行ってみる事に。 俺の住むエリアからさほど遠くない距離にある場所で、子供の頃からあるのは知っていたが初めてインパークしてきた。 勝手なイメージで人気も落ち着いてるのかと思っていたが、そんな予想に反してとても賑わっていた。すぐ先入

        • SAI 2022 個人的雑感

          いま、振り返ってみても素晴らしい1日だった。 11/27 ACIDMAN主催のフェスSAI 2022が開催された。 1年ほど前から開催の発表があったのだが、なかなか高額なチケット代に小遣い制の悲しい性かな、購入を躊躇していた。 そんな中、第二弾アーティストが発表された時にthe band apartの名前が!思わず2度見した。 「前回はバンアパ出なかったから今回のSAIには出演して欲しいなぁ‥」 なんて星に願っていたらまさかの実現。奇跡だ。 その瞬間に迷わずチケットを購

          義務教育の大切さ

          某感染症に罹ってしまったり 韓流ドラマに相も変わらずのめり込んでいたり 資格試験の勉強に勤しんでいたり 気が付けば珈琲もホットで嗜む季節になっていた。急な寒さに坊主頭はぶるりと震え上がる今日この頃。 前回の投稿からはや3ヶ月近く経過していて、時間は確実に進んでいるってのを身をもって体感しております。 どうもご無沙汰してます。 感染者数がピークアウトして落ち着き始めた最中、ついに某感染症に罹ってしまった。なんでこのタイミング?ってな感じ。 見事に家族全員でくらってしまい、な

          『サランへ‥』の重み

          『いいよなぁ、お前はいつも楽しそうでさ』 この間も友達にそんなことを言われた。 その友達は昔から無趣味に悩んでいて、暇さえあれば仕事をしているタイプ。 そいつ曰く、 『逆にお前は暇さえあれば趣味に興じていてなんとも羨ましい』 との事らしい。確かにその通りだし、一瞬でもハマる物事に熱が帯びれば没頭してしまう性分だ。 お互いにパラメータの振り方が真逆であるにも関わらず仲良くしてるんだから、友達というものは不思議である。 それはさておき、今まで数々のものにハマってきた。 音楽、

          泣けない男

          物心ついた時からの記憶を辿っても泣いた記憶がほとんどない。 感情が昂ったり震えたりする事は多々あるのだが、それが涙に直結することがない。一体いつからこうなってしまったんだろう? すっかり泣けない男になってしまった。 こうして泣けない人生を歩んでいると泣くという生理現象に憧れを抱いてしまう。 ライブハウスに行ったりライブ映像を観ているとお客さんが泣いている姿をよく見掛ける。 「いいなぁ‥その感受性‥」 と羨望の眼差しを向けてしまう。 俺の中で【歌を聴いて泣く】というのは泣き

          ウェディングジェラシー

          遡る事半年前、小中学生の頃からの付き合いである地元のマイメン達と餃子の美味しい店で忘年会をキメ込んでいた。 その時に1人の旧友が、 『5月に結婚式やっから来てな!』 そこにいた皆に呼び掛けてきた。 「オッケーオッケー!もちのロンで行くわ〜」 二つ返事で全員即答した。 「しかし半年後なんて先の事すぎて忘れちゃうなぁ」 そんな会話をしたのをうっすら覚えている。 ‥‥。 ‥‥‥。 ‥‥‥‥!! 「‥‥えっ?もう半年経ったの?ウソだろ‥」 クローゼットの奥から白いネクタイ

          連休のジレンマ

          『今年のゴールデンウィークは最大で10連休になるようです』 長期連休が近づくと必ずと言っていいほどそんな話題が情報番組で話される。 俺の勤め先は見事に10連休であった。 この連休の長さこそ、サラリーマンにおける飴と鞭のウェルダーズオリジナルに該当するほど劇甘の飴だと認識している。 「ありがたや、ありがたや‥‥」 飴を舐めながら感謝の気持ちでゴールデンウィークに突入した。 しかしながら周りを見渡してみると今年のゴールデンウィークはそこまで連休にならない人が多かったようだ。

          手間の掛かる体

          ふと気付いたことがある。 「俺の体って手間が掛かるな」と。 春夏秋冬、年がら年中何かしらの手間を抱えて暮らしている。 春はひどい花粉症 病院の薬無しには生活がままならないレベル。 数年に渡るトライアンドエラーを重ねてようやく己に合った薬をみつけたが、副作用もあってこの時期は本調子でいられない。 夏はあせも 子供の頃なんて汗をかく事など気にすらしていなかったのに、今では汗のケアをしないとすぐに汗疹になる。 そして汗で股擦れが発生する。 生まれつき尻が垂れているのが原因なの

          ダンベルで人生変わりました

          俺は全体的に平たい。 顔は清々しい程の薄顔で凹凸の少ない平たい顔だ。 本名の語感もさることながら、漢字の字面もひじょうに平たい。 そしてなにより近年気にしているのは、体が平たい事だ。 小学生からずっと平たい体のまま生きてきたのだが、昨今の筋肉至上主義が世の中を席巻しているせいか自分の平たくて細い体がコンプレックスになりつつある。 昔からロックバンドが好きな俺にとって【ロック=平たくて細い体】というイメージから、 「俺の体ってロックじゃん!」 なんて美化して生きてきた。

          ダンベルで人生変わりました

          願わくば大物に

          年少になる息子初の学芸会。それは俺にとっても親として初の学芸会。 前回の運動会同様、俺は撮影者としての責務に震え上がっていた。 会場は市内にある市民ホール。サイズ感はZeppクラスの大箱である。 ステージまで距離がある事を事前に知らされていたので、レンタルで4Kビデオカメラを借りた。 なんとも便利な世の中だ。 しかしそんなオーバースペックな物をレンタルしてしまったがゆえ、余計にプレッシャーが掛かる。 会場入りすると慌ただしく動き回る先生方にも緊張感が垣間見える。 息子も

          休暇入ります

          勤務する工場では午前中に一服休憩がある。 今まで数社で勤務した経験があるが、 どこの会社でも同様の休憩があったのでスタンダードなのだろう。 しかしながらウチの上司は、 『午前中の一服休憩いらなくない?』 なんて言い出す始末。 あまりこの休憩に前向きではないようだ。 とはいえ、 『人間の集中力の持続は90分間位と言われていて、それ以上の業務は作業効率が著しく低下するのであって‥』 などとそれっぽい御託を並べてみたものの、 シンプルに言えばずっと働くとしんどくなるから ちょっ

          私が眼鏡を外した時

          自分の中で活動がオフになるスイッチの存在を確認している。 それは 家に帰った時でも、 作業着を脱いだ時でも、 風呂に入った時でも無く、 眼鏡を外した時にスイッチがオフになるのだ。 以前にも眼鏡については書いたのだが、 俺はド近眼である。 眼鏡を外し裸眼になるとほとんど見えていない。 なので朝起きてから夜寝るまで、 一日中眼鏡を掛けていないと生活もままならない。 よって、 眼鏡を外す=寝る というオフスイッチが成り立つ訳だ。 なのでうっかり外そうものなら 意図せず睡魔が

          悩みの無い人生

          俺は争いごとが苦手で平和主義だ。 たまに友人達から、 『いやぁ嫁さん(彼女)と喧嘩してて、もう何日も口聞いてないよ』 なんてのを耳にするが、俺としては絶対に有り得ない事なので衝撃だったりする。 俺の場合もし喧嘩しても即解決、即和解、即仲直りは鉄則。 むしろそれが出来る相手じゃないと付き合えないし上手くいかない。 なるべく争いを避けてこれまで生きてきた。 しかしそんな俺にもどうしても避けようのない敵が【悩み】である。 対人間なら前述の通り解決も出来るもんだが、姿形の無い相手

          成長=老化

          数え年で今年は40歳。 その昔、40歳は初老と呼ばれていたらしい。 「しょ、、初老!?」その字面の強さに白髪混じりになってきた頭がクラクラした。 服を入れているクローゼットを開けてみるとそのほとんどが暗い色だ。 耳触り良く言えばアースカラー、直球に言えばド地味な色合いばかり。 この歳になると明るい色味のシャツなんかを羽織ってる同年代もいたりするが、俺はネギみたいな配色や煎餅のような色味のシャツをよく羽織っている。 顔が薄いせいかどうも明るくて派手な色が似合わないのだ。