わたしの神様
ここに神様はいない
神様になろうとも、しなくていい
でも神様はいる
会いに行こう──────
友達にいきなりそう言われ、
連れてこられたのは小さなお社
二人で手を合わせる
「……あ、懐かしいこと思い出した
小学生の頃よくふたりで遊んだよね」
「うわっ、懐かしい〜 神様が教えてくれたのかな」
「神様?」
「そうだよ。最近迷ってそうだったから、
神様を忘れちゃったのかなって
だからここに連れて来たかったの」
私の神様はね、ひらめきになって
会いに来てくれるんだ〜と彼女はにっこり笑う
(…そうだ)
最初は良かった
だけど途中から、何もかも上手くいかなくて
焦って、迷って、もがいて、戦って、
神様なんて信じてなかったから、
いるなんて思えなかったから、
私がどうにかするしかない…って
神様が、友達をここに連れてきて
くれたのかもしれない
「…ありがとうね」
「いんやぁ!なんちゃ!」
「…えへへっ」
「! へへ〜っ!」
「ふ、ははっ」
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