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1%の可能性を本当に叶えそうになったときのリーダーの頭の中の話【第5期北陸AMリーグ】


ここからの4位浮上を狙ったら本当にできそうだった経験をした話。


第2節のこの状況から4位以上へのジャンプアップを狙い,惜しくもあと1トップ分届かずもボーダー争いを最後まで演じる結果となりました.
今回は,この絶望的な逆境からの大逆転を本気で目指し,本当に叶えそうなところまでたどり着いたときに,リーダーの立場で何を考えていたかを綴っていくことにします.



北陸AMリーグとは

北陸地区で開催される「Mリーグルール」を採用したアマチュアのチーム戦.
1節16半荘を4節戦う.3節目終了時点で上位4チームが決勝卓へと駒を進める.

Mリーグ:https://m-league.jp/

率いたチーム「紅孔雀」

前身のM&Mを休止し,今期は武者修行期間に充てようと思っていたところ、運営のMEGUさんから「個人でも出るつもりがあるなら,メンバー集めは手伝うから出ないか」とお誘いいただいた.
そのお誘いを受けることにし,最終的に集まったメンバーがこの方々である.

<メンバー>
CHAM.:筆者.錚々たるメンバーのなか最年少なのになぜかリーダー.
Kさん:M&Mから継続して参加.会社の麻雀大会で優勝歴あり。
Tさん:第3期以来の参加.初めましてだったが、聞くところすごく強いらしい。福井県から参加.
chunさん:MEGUさんの紹介で加入.よく関西方面に遠征されている.初めてお話したが、どうも阪神タイガースが好きらしい。
ミドレンジャーさん:前ねぼからBaby'sのリーダー.開幕直前にオリンピアAから移籍.オリンピア大会優勝多数。

第1節:またしても逆境からのスタートで見えた課題

開幕早々沈んだ.
全員が思うような結果にならず,自分もトップ106000点超えの卓でラスを引くなど逆境・オブ・逆境からのスタートとなった.

第1節。ここまで下振れするものか。


終了後,別会場のTさんからお電話があり,すごく落ち込んだ様子だった.

Tさんは本当は強いという話は聞いていた.
ただ,前回参加時の成績が奮わず,翌シーズン以降の参加を見送っていたという話も聞いた.
そして,第1節終了時のお電話で「Tさんのメンタルを立て直すことが急務」だと感じた.

第2節:ポジティブな言葉だけをかけ続けた.その結果…

その夜,チームのグループラインで僕はこう送った.

「こんな日もあります.ただ,明日は明日の風が吹きます.来節は紅孔雀の風が吹く番です!必ずチャンスは来ます.風を吹かせましょう!」

Tさんからはやる気に満ちた返事が来た.
その後も僕は「必ずチャンスは来る」旨の言葉をかけ続けた.
彼の持っている力が出れば、必ず勝てる。

訪れた第2節の日.僕は驚きの結果を目にすることとなった.

ついに自チームからデイリーMVPが誕生。

なんとTさんが4連続トップでデイリーMVPに輝いたのだ.
僕はTさんがのびのびと打てるように力添えをしただけでしかないのだが、こうして彼の実力の高さを目の当たりにすることとなったのだ。

チームはほぼプラマイゼロ.ボーダー争いは依然として厳しいが,脱落したというまでの状況ではなかった.

まだチャンスはあるのか… 僕はそれを叶える道を見定めにいった.

第3節:逆転への唯一の道は16戦7トップ

上位2チームが大きく抜け出たことを考慮して,ボーダーは-50p前後と予想した.我々に必要なのは+300p弱だ.

まず考えたのは,ボーダーにたどり着くためにどれくらいの成績が必要なのかということだ.
トップを取れば+55~70pが計算できる.また,1-4着を1回ずつ取るとほぼ0pに収束する.
これと現実的な可能性を考えて出した結論は「7-3-3-3」だった.
トップが大きめになることが条件だが,およそ+280pを稼ぐ計算だ.
あとはここから3,4着を減らせれば,さらに目標達成の可能性は高まる.

次に考えたのは,それが叶う可能性はちゃんとあるのかということだ.
16戦7トップというのは,通常ならかなり厳しい条件である.
それができると言えるだけの根拠がなければ,チームメイトも本気でできるとは思えないだろう.
だが,その根拠はちゃんとあった.

2節終了時で紅孔雀は上から少し離された7位.
上2チームが大きく抜け出し,ボーダー周囲の4-6位が団子状態になっていた.
他チーム目線に立ったときに,おそらくこう考えるだろうと思った.

「付近の3チームをできるだけ勝たせたくない.
……そのためなら,下位チームにトップを取らせても構わない.」

他チームのマークが緩み,トップを取りやすい状況はできている.
少なくとも2回戦後の中間発表まではどこにも警戒されないだろう.
これなら,7トップは十分届く可能性がある.

チームでもこの考えを共有し,目標を明確に定めた.
あとは,絶対できると声をかけ続け,とにかく諦めさせないように努めた.

その結果,2回戦終了までに3トップ.
まだ7位ではあったが,首の皮一枚つながっていた.
かえってチャンスだった.この点差ならまだ警戒されずに済む.

3回戦2トップ.ラスも1回に抑えられている.
残り2トップ

4回戦.B会場で4,5,6,7位が集まる卓があった.
僕はこの卓が勝負になると読んだ.
そこで,この日3連続トップと絶好調のKさんをこの卓に送った.

そして,もう一方の卓.ここでようやく自分が行くことにした.

東発.親.4000オール.
その後も1000-2000など複数回の和了で独走態勢を作った.
オーラス.ここを流せばトップを取れる.
きょうのみんなの調子なら,もう一人トップが出る.
逆転4位通過が見えた.
対面からリーチ.無理をする必要がない.オリる.

「ツモ.」対面から声がかかった.
次の言葉に耳を疑った.

「8000オール.」

最後の最後で捲られた.2着.
Kさんも2着.A会場は2,3着だった.
目標に届かなかったが,祈る気持ちで結果発表を待った.

結果,1トップ分の差だった.

あと1トップで奇跡の逆転劇のシナリオを演じきっていたところ。

おわりに:今回の経験から感じたこと

届かなかったとは言え,16戦5トップ(5-5-5-1)はすごい結果だ.
改めて素敵なチームメイトに恵まれたなと思った.

大逆転劇のシナリオを描いたとき,もっとも経験の浅い自分がリーダーの立場でできると思えたのは,チームメイトが「できる」と思えるよう,そして諦めさせないようポジティブな言葉をかけ続けることだけだった.
力のある仲間が揃ったチームだから、その力を発揮できさえすれば勝てると考えていた。
そして、それをやり抜いたとき,本当に目標が叶おうとしていた.

今回のことで,メンタルしだいで本当に結果を変えられると感じた.
こういうリーダーシップの取り方であれば,自分にもできるのかもしれない.

そして,最後の最後で自分の力が及ばなかったことが本当に悔しい.
だが,ボーダーまでの距離感は以前よりもはっきりと見えてきた.
来シーズンこそは必ず決勝卓に勝ち残り,優勝トロフィーを獲りにいく.

そしていつか,麻雀で仲間の役に立てると思えるときがきたら,次の舞台へ…

追記(2023.6.22 21:55)

「1%でも可能性があるなら諦めないぞ」という意志を示したくてタイトルにそう書きましたが,数学的に算出したら8%くらいありました(白目)


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