見出し画像

「カナデルカフェ Vol.1」(前)イベント企画に至るまで

去る2023年4月30日、初の主催イベント「カナデルカフェ Vol.1」を開催してきました。
ライブは大盛況!その報告はまたいずれ。
今回の記事では、主催者としての想いやポリシーの部分をテーマに書いていくことにします。

企画に至るまで

2018-19 再び音楽の世界へ

先に自分の過去のことを少し話そう。
僕が音楽を再び始めたのは、新卒で就職する直前のことだった。
幼少期にピアノを習ったもののモチベーションを失い辞めてしまっていたのだが、それでも大人になると懐かしくなってまたやりたくなるのは何故だろうか。
単に懐かしいだけではなく、同じ業界に居続けて視野が狭まるのを嫌ったのもあり、どうしても会社以外のコミュニティを持っていたかった。
そして、どうせやるなら80歳になっても出来て、子どもたちとも楽しめることがやりたかった。
それでも、舞台の最前列に立つのは嫌だった。自分は裏方気質だと自認していたからだ。
そういうわけで、音楽の中でドラムを選んだのは、24歳の春である。
決して早くはないスタートだ。

ドラムを始めて間もなく、石川県に移り住んだ。
2年間はレッスンを受け、自分のベストペースで取り組んだ。
同時にバンドを組んだ。そこで活動する中で対バンのボーカルとして出会ったのが、現在のパートナーである。

結婚が決まったときに家計を見直した。そして、問い直した。
「このままバンドを続けて、子どもたちと音楽を楽しめる未来は来るのか?」

赤字でやっていたバンドで、YESの答えは出なかった。
家族に胸を張って音楽をするには、黒字で活動できることが必要条件だった。
バンドを持つなら会社を経営するくらいの感覚が必要だと思った。
そのノウハウがなかった僕は、一度バンドを離れ、知人の伝手を頼りにしてノウハウを学ぶことにした。
それが2020年の2月のこと。

そう、あの未知のウイルスがやって来るのである。

2020-21 足止め

世の中は自粛ムード一色となった。
無論、僕もその影響を受け、ドラムどころではなくなった。
演奏の舞台を失い、練習をするにも目標の無い状態。
ただただ基礎練習を繰り返すのは本当に辛いものだ。

知人の伝手で出会ったそのバンドは、前年に主催ライブで200人を超えるお客さんを入れていた。
勿論ながら黒字である。
そのバンドもさすがに足を止めていた。
だが、そのおかげで時間ができ、黒字にしたノウハウを教わることができた。

友人の中にもバンドを再開したり、新しく始めたりしたいという声はあった。
ライブハウスを取り巻く状況は依然として厳しく、探しても探しても、初心者を受け入れてくれるような企画に出会うことはなかった。
状況は好転しないまま、2年の月日が経った。

2022 旗を掲げる

自粛ムードもまだ終わりが見えなかったが、僕はここで一つアクションを起こした。
バンドプロジェクトの立ち上げと、主催ライブイベントの開催を宣言したのだ。
「場所がなければ作ってしまえばいいじゃない」とは、まるでとある偉人の言葉を借りて軽く言ったようではあるが、初心者の友人が舞台に立つチャンスを作ることにある種の使命感を持っていたのは事実である。
逆に言えば「場所を作れる力をつけた人にしか、自由に音楽をやれるチャンスは来ないのかもしれない」と心の中では思っていた。
だから、ある程度の失敗は覚悟しつつも、成功させるつもりでやってみることにした。
協力者は思いの外早く見つかった。
集まったメンバーで、バンドを立ち上げた。

バンドコンセプトは「Smile With Music」。
略してSWiM。SWiMする者は誰でも歓迎という意味で、複数形の"s"のない「SWiMMER」をバンドの名とした。
ポリシーは「大人の楽しむ姿を次世代へ」。

イベントのコンセプトは「音を奏でるカフェタイム」。

これが1年後の「カナデルカフェ Vol.1」である。

後編へ続く








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?