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台風のこども

今朝、母から「生まれた時のような台風だった」とLINEがとどいた。
私の誕生日にきまって語られる母の武勇伝がある。

「あなたが産まれたのはタクシーもいない台風の夜で、お母さん陣痛のお腹をさすりながら自分で運転して病院に産みに行ったのよ。」と。

子どものころは事態をよくわかっておらず、すごいね、大変だったねと、なんだか母親が得意げだから凄いんだろうと素直に受け取っていた。

いつからかな、「いやいや、普通に危なすぎるから誰か呼べばよかったのでは」とちょっと冷めた心で思うようになったのは。きっとあれが親から精神的に自立しはじめた瞬間だったんだと思う。

少しひんやりした空気とペトリコールが呼び覚ます思い出。

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