【祖父と原爆 25(完)】 ふるさとへ
兄は9月22日頃再び川棚病院に僕を迎えに来てくれたので、医者と看護婦に厚く御礼をして退院した。顔から喉・肩にかけ包帯をし、両腕は肩から吊るせるようにして、しかも苦痛を少なくするため胸から下にならないよう注意して病院を出た。
親身になって僕を心配し、自宅でできた果物を毎日のように届けてくれ、おも湯をスプーンで口に運んで飲ませてくださったり、お風呂に入れない僕の体を拭いてくれたり、あるいは体から吹き出る汗をうちわで扇ぐ等等、長い間看病していただいた美しい短大のお嬢様に御礼し