第20回 今日100均で見つけてテンション上がった言葉3選【朽羊歯ゾーンのWoundTube】
【朽羊歯ゾーンのWoundTubeとは】
朽羊歯ゾーンが一日一回何かを書くシリーズです。しょうもない発見や考えを真面目くさった文章で書く、1000~1500文字程度のエッセイくずれの文章が多いですが、そうではないときも多いです。どこから読んでも構いません。WoundTubeとは「くだを巻く」という意味です。
↑タイトルの【朽羊歯ゾーンのWoundTube】の部分、さすがに意味わからないのでコピペを作りました。これから毎回最初に書きます。
100均が好きだ。何でもあるからだ。
何でもあるということは、いろいろなジャンルの情報をまんべんなく得られるということである。気軽に入れるのもあって、散歩やアイデア出しのための情報収集にはもってこいだ。
知っているジャンルのもののお役立ちグッズを見つけることもあれば、自分の知らないジャンルのものに出会えることもある(ルアーなど興味深い。ぐにゃぐにゃした虫みたいなのにラメが入っている)。
今日はテンションの上がる言葉に3つ出会えた。
1.金属製の要
扇子のパッケージに、「金属製の要」とあって、そうか! と思った。
今まで、「要」という言葉を、「守備の要」などという使い方しかしてこなかった。「金属製の要」と言われても、一瞬意味がわからなかった。「金属製」というポジションがあるスポーツはない。
しかし、最終的に私は思い出した。扇子の下の方を留めている部分が「要」と呼ばれることを。何を留めていると書けばいいのかわからなくて今調べたら「骨」だった。そうか、あれ、骨か。
とにかく、「扇子の骨を留める部分」という意味で「要」という言葉が使われているのを見るのは初めてで、不思議な違和感を覚えたのだった。
それが金属製だと何が得なのかは、よくわからない。
2.エアリーリリー
リーリリーリーリリーリリーリーリリーリリーリリー! コォー!!
思わずエド・はるみになってしまうほど語呂がいい。
毛糸の名前だ。手芸用品売り場にある。
100均の毛糸の名前は、かなりしゃれている。100均以外の毛糸もそうなのかもしれないが。
私が好きなのは「Postcard」シリーズだ。色に応じて、地名を冠した副題がついている。以前「アムステルダムの運河」を買ってきて帽子を編んでいたのだが、編み上がる頃に春が来たので、ギリギリのところでやめてしまった。
話を「エアリーリリー」に戻すと、これを見て真っ先に思い浮かべたのは野球の掛け声であった。「リー! リー!」という掛け声がある、ということだけ知っているのだ。
多分「リード」のことだったと思うし、塁から離れておいてボールが来たらズサッと戻るあれに関係するんだろうが、いまいちぼんやりしている。
はやみねかおるの小説に出てきた、「リー、リー、うるさい! お前はコオロギか!」というセリフを妙に覚えているのだ。脳内の読み上げソフトが読点で息継ぎをするので、「怒る割にめっちゃ区切るやん」と思ったのだった。
ちなみに「リー、リー」とうるさく言っていた野球少年のあだ名はコオロギになった。彼は主人公ではないし、私はそれ以外の内容をほぼ覚えていない。今度「本筋にあまり関係ないセリフだけ覚えている小説3選」をやろうと思っている。
話を再度「エアリーリリー」に戻すと、これにも似ている。
このツイートたちを出すために「タマーマー」で検索したら意外と他の人のも引っかかって……などと言っているとキリがないので、次だ、次。
3.こじる
最もテンションが上がった言葉である。というか、これがあったから今日の投稿を「今日100均で見つけてテンション上がった言葉」にしようと決めた。
ごく稀にしか見ない語彙だ。古い言葉か方言か。
なのに……なのに!
お前、生き残っていたのか!!!
書いてあったのは、ペン型カッターの裏の説明文である。見た目はペンなのに刃が出るというだけで衝撃だが(こういうのを見つけるのが100均散歩の醍醐味だ)、手に取ってさらに驚いた。
そのときの写真(店内で撮ったので念のためここには上げないでおく)から引用する。
「左右にえぐる」とは言わないな、うん。でも「左右にこじる」ならなんかいい気がするぞ。見た回数が少ないから何が正しいのかわからないってのもあるけど。私、好きよこの解説文。
「こじる」で通じるという判断を下した人も好きだ。きっと私と近い語彙を持っているに違いない。
あまり漫画やゲームが推奨されない家庭で、昭和の小説ばかり読んで育ったので、自分の感覚で言葉を使うと通じないということが子供の頃からよくあった。きっと、「こじる」もマイナー語彙なのだろう。特に若い人には通じないのだろう。私も若いからよくわかる。胸を締め付けられる感覚と共に、理解がやってくる。
だから、語彙が近い人がいると、私は安心するのだ。都会でお国言葉を聞いた人はこんな気持ちになるだろう、といつも思っている。
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