「同人文具」の即売会がしたいだけの話

コミックマーケット、コミティア、デザインフェスタ…

主に個人による自由な表現の場が多い現代ですが、僕は一つある大きな悩みを抱えています。


「自分のオリジナル作品を出すのにちょうど良い場所が存在しない」


こんばんは、初めまして。Tabと申します。
普段は高等専門学校で情報の勉強をしながら、都内でIT勉強会の運営のお手伝いなんかもさせていただいています。

そんな僕ですが、以前こんなものを作りました。

この手書きの文字もそうなのですが、僕の作品はどちらかと言うとこの「紙」の方です。その名も「黒い原稿用紙」です。

自分の「欲しい」を詰め込んでデザインを作り、印刷所にお願いして黒の紙に白インクで印刷してもらったこちら、少数ながら販売をしており、数十名の方にご購入いただき、白いペンでの表現を楽しんでいただいております。
このように、自分の作りたいものを形にし、それを自分だけでなく他の人に楽しんでもらうため頒布する。この姿は「同人」の考えかたそのものだと考え、僕はこれを「同人誌」ならぬ「同人文具」と呼んでいます。

どう じん [0] 【同人】
③ 志・好みを同じくする人。同好の士。仲間。
-三省堂 大辞林 第三版

こちらの作品、今年の春に行われた「デザインフェスタ Vol.49」に応募した結果1つブースをいただけることになったので出展をいたしました。
よっぽどツボに刺さったのか、驚きのスピードで買ってくださった方もいました。

この方が買ってくれた時のことを鮮明に覚えています。視界に入った瞬間に小走りで駆け寄ってきてくださり、一瞬の間もなく「ください!!!!」と仰有りました。ちょうど感嘆符「!」が4つ程度の勢いでした。正直泣くかと思うくらい嬉しい出来事でした。

用意していた在庫が少なすぎてすぐ売り切れてしまったため嬉しいやら悔しいやら複雑な気持ちではあったのですが、それらとは関係なく、ひとつの問題があることに気がつきました。


「ここ、なんかジャンル違くね?」


周囲にはアクセサリーを売ってるブースがちらほら。それもそのはず。僕の配置されたKブロックは「アクセサリー・雑貨・演奏」のエリアなのです。そして数少ない「雑貨」というのも、僕のような文具の人は少なく、バッグだったり、お財布だったりするわけです。

近くに「便箋・レターセット」を販売されている方がいましたが、それ以外に文具を売ってらっしゃった方はおそらくいらっしゃったのでしょうが記憶にありません。

デザフェスではこういったオリジナル文具を受け入れてはいるけど適切なジャンルが用意されていない。そう考えた私は、「個人制作のオリジナル文具を見てもらうのに適切なイベント」を必死で調べました。

「文具女子博」という素敵な響きのイベントを見つけたのですが、どう見ても個人での出展申し込みはないし全てが出展企業。個人事業主ですらない、屋号を持たない者の入れる隙はどこにもありません。いわゆる「ハンドメイドマーケット」と呼ばれるものも多数見つけましたが、だいたいがデザフェスと同様の分類、しかも「ハンドメイド」限定なので僕のように「印刷所にお願いして製造してる」のはNGだったりするイベントも多くありました。

今度は逆に門戸の広いイベントを探しました。言わずもがな出てくるのは日本最大のオールジャンル即売会イベント「コミックマーケット」、通称「コミケ」。

コミックマーケットは同人誌を中心としてすべての表現者を許容し継続することを目的とした表現の可能性を広げる為の「場」である
-コミックマーケットとは何か / コミックマーケット準備会(2014)

こちらに申し込もうとしてジャンル一覧を見たところ、「オリジナル雑貨」というジャンルがしっかりと存在しています。ただし、その右の補足にはこのように書かれていました。

ドール・服飾・アクセサリー

文具ッ!!!!!!!文具ドコ!!!!!!???????

雑貨
ざっか
miscellaneous goods

(1) 産業分類の一つ。金属洋食器,ライター,ハンドバッグ,靴,履物,運動用具,文房具,玩具などのように小規模の業種で,他の産業分類に入りにくいものをまとめて呼ぶ。軽工業が中心で,産業の発展段階からみて初期の頃から登場し,通常,中小企業の製品が多い。(2) 日常生活で用いる家庭用品,携帯品などの総称。
- ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

コミックマーケットにおける「アニメ・マンガ・創作とかじゃない"ちょっと場違い感のある奴ら"」のジャンル分けの変なところは議論してるとまた2時間くらいかかるので省くのですが、そもそも文具をオリジナルで製造してくることは想定してないみたいです。みんなもっと文具製造して。

ちなみにジャンル一覧のページで「文具」で検索かけましたが引っかかりませんでした。でもC97には「オリジナル雑貨」で申し込みました。準備会さんにこの想いが伝わるといいな(先日C97準備会にスタッフ登録したのは秘密)。


('19.10.24追記:11月開催のデザインフェスタVol.50でもキャンセル待ちで一つスペースをいただけたので出展します。)


そんなこんなで長くなりましたが、ここからタイトル回収。
でも妄想をつらつら書いてるだけ。

「同人文具」のイベントがしたい

これ以上も以下もないです。動機と目的は単純。

「自分の作品がぴったり当てはまる場所がないので場を作りたい」
「他の人たちの作っているオリジナル文具を見たい」
「オリジナル文具を作りたいと思う人が増えてほしい」

だいたいどのイベントも最初はこんな感じのモチベーションなんじゃないでしょうか。

ここでいう同人文具、オリジナル文具などというのは、以下のようなものをさします。

(1)既存の一般的な製品と同様の構造・機能をしているが、手作りまたは自らで設計し制作した文具・雑貨

(2)既存の製品とは異なった独自の形状や機能を持つ文具・雑貨

以上のいずれかまたは両方に当てはまり、かつ企業による製品でないもの

出展OKな作品例としては以下のようなもの。

・手作りまたはオリジナルデザインのレターセットやポストカード(1)
・手作りの布筆箱(1)
・オリジナルデザインの消しゴム玩具(2)
・オリジナルインクを充填したボールペン(2)

逆に趣旨に沿わない作品例は以下のようなもの。

・スリープをキャラクター入りのものに入れ直した消しゴムなど、既存製品のラベルをオリジナルデザインのものに差し替えたもの

こちらは「オリジナルの文具」ではなく「グッズ」ですので、趣旨に沿わないものです。そればかりか、勝手に行うと商標権の侵害となり不正競争防止法に抵触する可能性さえ考えられます。

もちろん「オリジナル文具を製造して販売する」ハードルは非常に高いので、「文房具アイデアコンテストのようなイベントも同時にできたら面白いのかな、なんて思います。



最近は3Dプリンタに触れることができる場所も増えており、まだまだハードルは低くはないものの、個人が構想から機能する道具を作ることも可能になってきました。「ものづくり」の形が変わりつつある昨今、個人で「文具」を製造したり、そこまで行かなくてもプロトタイプを作ることはだんだん容易になりつつあるように感じます。

文具メーカーも続々と新しい文具を発表しており飽きがこない状況ではありますが、個人の発想やデザインももっと見たいし知りたい、応援したいので、もっと気軽に発信しできる場が欲しいと考えています。


妄想はこんな感じです。もし趣旨にご賛同いただけるのであれば、「スキ」ボタンやTwitterで単純にその旨伝えていただけると単純にとても嬉しく思います。同志が多く集まれば、本当にイベントを開催できるかもしれません。

それでは。

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