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W-KEYAKIFES.2021

人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証しとして開催される東京オリンピック。
その開会式まで、あと2週間を切った。
安心安全に気をつけて、開催されるらしい。

それに先駆け(?)、本日2021年7月10日、新型コロナウイルス対策を十分に行い、富士急ハイランドコニファーフォレストでフェスが行われた。その名も「W-KEYAKI FES.2021」
2日目の今日は、日向坂46単独のアクトであった。

欅共和国2018の終演後に「もっとステージに立っていたかった。」「自分たちの歌だけで盛り上げることができるようになりたい。」と言っていたメンバーが3年の時を経て堂々と大きな舞台でフェスをやる。着々とやりたかったことを成し遂げていく姿は、本当に勇気をもらえる。

「いつだって未来は味方だ。」この言葉は、夢を口にし、愚直に努力を続けることができる彼女たちだからこそ響く。

彼女たちの凄さは、「夢を口にすること」だ。
皆それぞれ、これがしたいという夢を持っている。

例えば、松田好花と富田鈴花のユニット”花ちゃんズ“。かねてから、花ちゃんズでライブがやりたいと言い続けて、ついに実現した。

金村美玖の専属モデル、潮紗理菜のナレーション、影山優佳のサッカー仕事、渡邉美穂の女優...あげ出したらキリがない。

今回の富士急ハイランドでのフェスもそうだ。

言葉にすることは簡単だが、そこには怖さがつきまとう。
そこへ向かっていく覚悟と責任が生じるからだ。

「あなたは、◯◯を実現したいんじゃないの?じゃあ、そんな甘えは許されないのじゃないの?」

外部から、そして自分自身からもそのような思いと言葉がつきまとう。

夢を言葉にすることは、自分で自分自身を縛ることになる。

彼女たちはその試練をいくつも笑顔で乗り越えてきた。だから、彼女たちの笑顔は爽やかで美しい。

日向坂46のライブのラストナンバーは「約束の卵」だ。
グループの悲願である東京ドームでのライブへの想いを歌った曲だ。私はこの曲を何度も聞いた。
そして、映画「3年目のデビュー」と配信ライブで聴くと毎回号泣していた。

ついに、初めて生で聴いた。

タオルを準備し、落涙に備えたがしかし、私は泣かなかった。

いつもの胸にグッとくるものはなかった。スッと爽やかに胸を晴らしてくれる曲に聴こえた。

なぜか。

「あんなに遠く見えていたのに辿り着けそうな
胸の熱さはただの思い上がりか?
ここからが 一番辛いって何となくわかっている
目標だと言ってる誰もが行けるわけじゃない WOW...」
ー日向坂46『約束の卵』

ひなくり2019で東京ドーム公演が発表された時、
あんなに遠くに見えていた景色にやっと辿り着けるという思い、今までの苦悩、様々な想いがメンバーの胸に去来し、感動の涙を流していた。

しかし、昨年の東京ドーム公演は、翌年へ延期になってしまった。まさに、歌詞であるような”ここから“の辛さだ。

東京ドーム公演の延期の理由は、新型コロナウイルス感染症が原因ではない。遠因ではあるが。

「政府発表のガイドラインにそったキャパシティーでの開催も検討いたしましたが、デビュー前からファンの皆さまと追いかけてきた夢である初の東京ドーム公演は、満員のファンの皆さまと一緒に迎えたい気持ちがメンバー、スタッフともども強く、今回の判断となりました。」

約束の卵という場所で、グループで目指してきた大きな夢を叶えるには、何が必要なのかをしっかりメンバーが意識共有ができていることがすごいことだ。悲願の夢は簡単に叶わないのだと、彼女たちは知っている。

中止が発表された時のメンバーの反応は一様にこうだ。
「残念だけど、ここからまた一年更に力をつけたい。」

東京ドーム公演をやりたいという漠然としたものではなく、満員のファンと一緒に迎え、最高のパフォーマンスをしたいという明確なビジョンを彼女たちが持ち、ひたむきな努力をしているからの反応なのだと思う。

話が少し逸れてしまったが、私が感じた約束の卵に対する思いの変化は

「幾多の試練を経験し、自分たちの存在意義すらわからなくなったメンバーがようやく報われる場所としての約束の卵」から「延期という試練さえもさわやかな笑顔で乗り越え、彼女たちが自信をもって創り上げていく約束の卵」へと変化したからではないかと思う。

「いつだって未来は味方だ。」
未来を味方につけた日向坂は最強だ。

ぜひ、日向坂46東京ドーム公演は、人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証しとして開催し、おひさまとメンバーでハイタッチして抱き合いながら涙を拭いて喜びたいではないか。

そんな光景が見られることを切に願う。


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