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星に焼かれて

流れ星ストロボのごと目を焼きて心に焼きしそこにいた我

鼻、耳、爪、唇の先 かんが取り 星は取りたり内のすべてを

薄雲のうらでぜたるひかりあり風なき花火のかすむさやけさ


受験を控えた冬の夜、目の当たりにした流星群は
写真館にひらくストロボの白い光が爆ぜるようで
藍鉄の空に薄雲が散り流れていくその向こうから
切れ間に爆ぜる星は目を射てその残像が残るほど
雲ごしの光もなお眩しく灰白の輪郭を浮き立たせ
風なく煙まみれの花火を思い起こさせた、けれど
次々と爆ぜては散る光は、はるかに強く鮮やかで
先が見えず流され、今を見失いかけた十代の眼を
見開かせるに十分な美しさとちからをもっていた
凍てつく寒空の下、祖母のどてら●●●で部屋着をくる
冷えを感じながらも、すべてをうばわれるように
星々に焼かれたその時は、色褪せずにいまも残る

星流し我が伏せし目をひらかせた方の手にありいまも私は



小牧幸助さんの企画に参加しています。
心に焼きついていた諸々を思い出して、言葉にする機会をいただけました。
感謝。

#シロクマ文芸部


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