小説だったら、1年なんてあっという間なのに
獣の奏者
本を好きになってから早4年。
これまで、様々なジャンルの本を読んできた。
ミステリー、企業もの、夢を追いかける人、生々しい人間関係、お笑い、エッセイ、自己啓発など。
今でこそ自分が好きなジャンルの本を手にする機会が多いけど、
読み始めた頃は何が好きなのか定まっていなく、気づけば色んなジャンルの本を読んでいた。
しかし、ここにきて読んでいない本のジャンルがあることに気づいた。
"ファンタジー"
である。
特に読まないよう意識していたわけでは当然なくて、
アニメやドラマ、映画などにもいえることだが、
あまりに"現実離れ"しているものは、昔から見ていなく、目が慣れていないのだと思う。
ぼくがよく読む小説は、生々しい人間関係が描かれていて、現実にも起こりえるものが多い。
一方、
ファンタジー小説は、その名の通り"ファンタジー"なので、リアルではないというか、現実では起こりえないことが描いている。
小説までにも現実感を求めているぼくからすると、ファンタジーものは、どこか読むのを躊躇ってしまうものだった。
そんな食わず嫌いをしていた中、
ひょんなことから出会ったのが「獣の奏者」というファンタジー小説だった。
これがもう面白いし、感動した。
もちろん、最初の頃はファンタジーを読む耐性がなかったこともあり、1,2日くらいは手が伸びないこともあったが、
物語が進むにつれて、登場人物たちの興味深い関係性がいくつも見えてきて、いつの間にか貪るようにページをめくっていた。
あまり書きすぎるとネタバレになってしまうけど(要約が下手でできないからだけど)、
ファンタジーならではというか、
闘蛇という、人間を食い殺してしまう獣がいたり、
王獣という、その闘蛇を食い殺してしまう獣がいたり、
それら獣を、自分たちの利害のために利用しようする人間がいたり、
「人間と人間」の関係だけではなく、
「人間と獣」「獣と獣」の関係もあり、これぞファンタジー!と終始興奮していた。
この後、最終局面の大きな意味を持った国同士の"戦い"が始まりそうなので、しっかりと目に焼き付けたいと思う。
*
小説だったら、1年なんてあっという間なのに
この小説を読んでいる時に、ふと思ったことがある。
「物語の中の時間って、進むの早いな」
まぁこの小説に限ったことではなく、
小説全般、ドラマ、映画といったものにもいえることだと思うけど。
小説やドラマなどの映像作品の世界では、
100ページくらい読んだら、1年後になってることもあれば、
1時間くらい見たら、10年後の世界が描かれていることも少なくない。
けど、実際にぼくが生きている世界というのは、
学校の授業を50分受けたら、50分後の時間になっているし、
9時から1時間会議したら、時計の針は10時を指している。
2月1日に寝て起きたら、スマホの画面は2月2日を示していて、今日という1日がすでに始まっている。
これから先の世界を見ようとしても、
当たり前だけど、
"自分"というページをめくったり、早送りをしたりすることはできない。
1秒は1秒で、
1日は1日で、
1年は1年なのである。
どんなに早く来月になってほしくても、
どんなに2025年になってほしくても、
"今"をコツコツと過ごさないと、来てほしい"瞬間"というのは必ず訪れない。
ならば、
今を"ひたむき"に過ごしていきたい。
(SUPER BEAVERの「ひたむき」より)
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