作り手の見える買い物
耳にも有給休暇を
たまにはイヤホンをしないで歩くのも悪くないと思った。
人工的に生み出した音ではなく、自然的に生み出された音に身を委ねてみる。
鳥の鳴き声
車の走る音、風が吹いている音
そして、自分の足音
様々な音が自分の意思とは関係なく、耳へ伝わってくる。
不思議と音楽を聴いている時よりも静かだ。
同じ"音"という存在なのに、それぞれが違う"音"として存在しているんだな〜って当たり前なことを考えてしまう。
まぁたまにはそんな日があってもいい。
だって多くの時間、"イヤホン"には音楽を流すという労働してもらい、"耳"にはその音楽をぼくに聴かせるという労働をしている。
"ぼく"というブラック企業でいつも働いてくださっているので、たまには有給休暇を使ってほしいと思う。
とはいっても、有給休暇を取得できるかはぼくの気分次第である。
うん、パワハラ。
*
作り手の見える買い物
その服を作った人が、その場にいる中で買い物をするって、こんなにも贅沢で嬉しいことなのか実感した。
というのも先日、"Kotoka Izumi"さんという方が作られている服のPOPUPが都内で開かれることを彼女つたえに知った。
正直Kotokaさんについてぼくは、彼女からの話とインスタを少し拝見しただけでしか知らなく、漠然とお洒落だな〜という印象で止まっていた。
ただ今回販売される服に込められたメッセージがすごく素敵だと感じので、早速向かった。
POPUP会場は東京大学がある"駒場東大前駅"が最寄りだったのだが、東大生に"惜しくも"間違われることなくの到着となった。(ウザすぎて殴りたい)
ぼくたちがお店に入った時、Kotokaさんは別の方の接客をしていた。
なのですぐにお話することはできなかったけど、入ってすぐのところにお目当てのスウェットを見つけた。
メッセージに惹かれたとあったが、このスウェットの裏にはこんなことが書かれている。
いや〜素敵すぎます。
近くにいればいるほど、当たり前だと思っているが故に、感謝の気持ちには気づきにくいし、気づいたとしても、それを言葉にするのって少し恥ずかしい。
ただそういう人が当たり前にずっといるとは限らないし、明日いるかもわからない。
だからこそ、"目の前のあなた"に恥ずかしいけど、いま言葉にしてみることが大切だと思った。
アルコ&ピースの平子さんも「恥ずかしくない言葉に色気は伴わない」と言っており、ちょっとニュアンスは違うけど「恥ずかしい言葉ほど大切だよ」と変換することもできる。
個人的には"あの人へ"だけでなく、"自分自身へ"というのを入れているのもすごく好きだな〜。
そんなスウェットを購入した後、Kotokaさん本人と話すことができた。
作った人と話すのはめっちゃ緊張して、何を話したか覚えてないけど、すごく嬉しいそうな顔をしてくださったのは覚えている。
きっとこれって、古着を買ったとしても、ファストファッション店で買ったとしても見られない光景で、作り手がその場にいるからこそ見られたものだった。
その嬉しそうな顔に、ぼくが嬉しくなる。
見方によってはウザく、イヤらしい意味に聞こえてしまうかもしれないが、お金の使い方として、この形が一番素敵な形だと思った。
お店を出る時
自分と近くにいるKotokaさんへ
声を出して伝えてみた。
「ありがとうございました!」
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?