そしてだれも居なくなる 1
最初に私が消したのは、マホちゃんだった。
確かまだ幼稚園児のことだった。私の事を執拗にいじめるマホちゃんに向かって「消えちゃえ!」と叫んだのだった。すると確かマホちゃんは「死んじゃえ!」と、覚えたての、ましてやより殺傷力の高い言葉で罵り返してきた。私は悔しくなって顔が熱くなるのを感じながらつま先を見るしかなかった。涙で線がぼやけるピンクの靴を眺め、今日こそは泣くまいと顔をあげた時だった。もうマホちゃんは居なくなっていた。いつもはすぐに泣いてしまう私をニマニマと眺めた後、また