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古代ローマ人の職業【美容編】

古代人と言えば、遺跡とか生贄の儀式とか、連想させる方が多いと思いますが、実際彼らはどのような日常生活を送っていたのでしょうか?
今回は古代ローマ人に焦点を充てて、彼らの生活を支える『職業』をご紹介したいと思います。

⚠︎この記事はYouTubeでUPしたものをそのまま文章として残したものになります。            これには聴覚に問題のある方にも共有する事を目的とした試みです。

         動画はこちら↓

     https://youtu.be/n4TDBhGjP3Y



【美容師】
古代ローマには美容師がおり、大抵の裕福な家には女奴隷として働いていたり、またちゃんとローマ市内にも美容室を経営しており数名の女性スタッフが働いていたのです。
この時代での美容師は人の髪をカットすると言うよりは髪型をデザインする事が主な役割でした。
現代で言うヘアセットです。
彼女たちは芸術的なヘアセットスキルを求められ、非常に苦労をしました。
と言うのもこの時代の流行りはとにかく巻き髪命だったので丁寧に編み込みをして癖付けした髪を頭上でまとめてボリューミーに魅せるのが定番でした。
そのためこのようなヘアスタイルにするため、100人くらいのスタッフが常駐しセットしてあげていたとか。
また女性客は髪の色にも敏感で黒髪やブロンドに染めたがり、黒髪の毛染め剤にはクルミ、イカスミ、胆汁、はたまた腐敗したヒルを使用しました。
ブロンドにする材料はもっと大変で、灰や大量の鳩の糞を混ぜ合わせたものを塗布し、最後に尿をかけて施術したそうです。


【理髪師】
理髪師は今で言う床屋で、男性版の美容室となります。
理髪師は基本的に皆理髪店で働くスタイルで、当時の労働時間としては珍しく早朝から午後13時頃までopenしていたそうです。
と言うのも、理髪店は数える程しかなくローマ中の男性たちが毎朝の様に通っていたのです。
また古代ローマ人男性は理髪店で情報交換を行っていたそうです。
髪をカットする際にはハサミとナイフを使ってカットし、仕上げには灰汁と油を混ぜた石鹸のようなヘアクリームを塗って完成させました。
髭を剃る時は剃毛箇所にオイルを塗ってから三日月形で鉄製の剃刀で剃りました。
この剃刀は切れ味が良くないのでお客の肌を傷付けてしまう事も多く、古代ローマの理髪師は必ずお酢と蜘蛛の巣を常備して止血を行ったそうです。
また剃髪以外にもメニューがあり、爪切り、まゆ毛抜き、耳掻き、そして古代ローマの理髪師は歯医者も兼務していたので抜歯を行ったり、またまた脱毛までサービスしていました。
脱毛法としては、コウモリの血とケシ、毒蛇の毒を粉末にしたものを塗布し綺麗に除去出来たそうですよ。
古代ローマの理髪師は調髪スキルは勿論の事、人体に関する知識も持たないとならなかったので、知識人が務める職業だったようです。
【調香師】
調香師とは香水を作る人の事で、古代ローマでは人気の高い職業とされています。
調香師のお仕事は街中で香水を売るのが基本スタイルで、人々に購入させるために生姜味のチューイングガムやスミレ・シナモンで香り付けしたワインを提供していたそうですね。
また相乗効果狙いで大衆浴場にも香料の入った豊富な種類の小壺を沢山並べて、それを風呂上がりの人々はめっちゃ買ったそうです。
さて、古代ローマでの香りという概念は生贄の儀式を行う際や神に対するマナーとされていたようで、また人々のエチケットのために欠かせませんでした。
祭壇で使用する香水の材料は、主にお香や香りのある樹脂の没薬を焚いたそうです。
人間には、髪にスイートマジョラムの香り、首筋にはタイムの香り、腕にはミントの香り、そしてティクビにパーム油を塗っていたそう。
また人間だけではなく、身分の高い人たちは極上の調合をさせ、その材料にはハス、サフラン、アヤメ、シリアシナモン、キャットタイム、アカシア、野ぶどう、カルダモン、カノコソウ、グラジオラス等と言う花やハーブで香水を作らせました。
古代ローマの調香師はそれなりの収入を得て、良い暮らしが出来たそうですね。
【オイル塗係】
古代ローマでは大衆浴場が盛んで位の高い人から奴隷まで皆毎日通っており、シャンプーや石鹸の代わりにオリーブオイルを塗って垢を落としていたのです。
そのオイルを擦り込む専門業者がおり、彼らはオイル塗り係と呼ばれました。
オイル塗り係は男女それぞれ居り業務内容としては、お客にヴァージンオリーブオイルにジャスミンやサフランの香りを混ぜ合わせ体に擦り込ませ、この様な形状をした肌かき器を使用し垢を落としました。アイタタ〜。
またそれだけではなく軟膏を使いお客の身体をマッサージしてあげたり、お店の負担でドリンクの提供や簡単なストレッチを指導していたそう。
更に女性のお客さんにはこちらもお店の負担で化粧品の提供もしてあげたそうです。
ちなみに大衆浴場は慈善家が寄付した公共施設なので、このようなサービスができました。
【わき毛処理師】
脱毛と言うと近年男女ともに脱毛サロンに行ってすべすべな肌を求める事が当たり前になりつつある現代ですが、実は2000年以上前から脱毛と言う文化は存在していたのです。
古代ローマ人は皆ファッションや美を追求する事に命をかけていました。
その存在がわき毛処理師。彼らは浴場組合に属していたそうで、立派な職人と位置付けられました。
そして彼らもやはり大衆浴場にある一角にお店を構えて、呼び込みをしてお客を獲得するスタイルだったとか。
ちなみに脱毛法としては理髪師と同じで薬を使ったり、鉄製のナイフで行ったそうですがピンセットで抜き取るのが大半だったようです。
ピンセットで抜くの痛いですよね、眉毛とか。
わき毛処理師は誰でもなれる様な職ではなく、何故ならわき毛処理師は客に痛みを与えても耐える精神力と、痛みで暴れる客を抑えつけられる様な強靭な腕力を持った者のみがなれる職業とされていたからです。
古代ローマの美容とは職人もお客さんも命をかけていたと言っても過言ではありません。




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