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【観光×SDGsの実現可能性】

私の場合は、
観光の力で、
昇華できない「もったいない」をなくすこと
消えるかもしれない「もったいない」をなくすこと
を実現したいです。

今回、第三回ジャパンSDGsアワード内閣総理大臣賞、第一回SDGsクリエイティブアワードゴールド賞を受賞した福岡県北九州市小倉にある、
「魚町銀天街」の取組みを、実際に体験して感じたことを書きます。


【SDGsを地域で進めるには7S思考が必要】
SDGsを推進するには、国や機関の認定組織にオーソライズしてもらえばそれでOK
ではなく、そこからが始まりとなることが分かりました。
オーソライズ後の実践には、実施するための戦略つくりや、実施するための組織づくり等の「ハード面のアプローチ」と、
リーダーシップによるコミュニケーションなどの「ソフト面のアプローチ」を持続的に行う事こそがSDGs推進なんだと感じました。

(まちを散策)
SDGsビジネスコンサルタントの仲間と、
第三回ジャパンSDGsアワード内閣総理大臣賞、第一回SDGsクリエイティブアワードゴールド賞を受賞した
いわば今まさに、SDGsの聖地ともいえる福岡県北九州市小倉にある、
「魚町銀天街」を実体験しに行ってきました。

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今回私の目的は、観光の力で様々な「もったいない」をなくすため、
「SDGs」×「観光」の取組みのヒントが見つかる予感がしたことと、今年(令和2年)7月に、倉敷市が「SDGs未来都市」&「自治体SDGsモデル事業」に選定されたこともあり、倉敷市にも、参考となる取組みを知りたく体験に行ってきました。


小倉に降り立ち仲間と合流。

最初に向かったのは、目的の場所「魚町銀天街」
どんな取組みをしているのか、まずは見える範囲のSDGsへの取組みを確認するためパトロールをしました。

印象としては、SDGsを推進しているところが確認できたのは、商店街の入り口と出口付近に、フラッグがあったことぐらいでした。要は、目に見えて推進している雰囲気はなかった感じを受けたのが、最初の感想です。

次に向かってみたのは、魚町銀天街を超えた場所にある
「旦過(たんが)市場」
ここは地元の方の台所となっているような市場で、京都で言えば、「錦市場」のような雰囲気がある場所です。
卸と小売りの両方の機能がある市場として成長してきたようで、果物屋、肉屋、乾物屋、惣菜屋等など、生活に直結する新鮮なものが多く、且つお安く販売されていました。

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個人的には、旦過市場が面白く、ついつい長居をしてしまった場所でした。
新たな事業を行うときには、仲間いることで、事業の進みが早くなるものです。
私なら、魚町銀天街と、旦過市場はタッグを組んで事業を行うことで、
2つの魅力をかけ算して、集客に繋げることが出来ると感じました。

(SDGsの「経済」「社会」「環境」の視点からの、「魚町銀天街」と「旦過市場」の違い)

「経済」面 
・人通り
(どちらも人通りは多いが、客層が異なる。)
魚町銀天街 娯楽施設に行く中年男性や若者が比較的多い印象。
旦過市場 年齢層は高く、男女比も同じぐらい。観光客風の方も多く若い方もいた
・お金の流れ
魚町銀天街 チェーン店=首都圏などに本社があり、そこにお金が流れる
旦過市場 地域内経済の循環がある
「社会」面
・並ぶお店の印象 
魚町銀天街 チェーン店的なお店が多く、昔ながらのお店は少なくなっている印象。
旦過市場 生活に直結した食を中心とした卸、小売店
「環境」面
・ハード整備面

魚町銀天街 多少人が横に広がっても歩ける道幅があり、道も整備されている。車椅子でも通れる。リノベーションされている。Wi-Fi整備あり。
旦過市場 すれ違う時に人の肩が触れるぐらいの道幅。通路の整備はあまりされていない感じ。再開発で、現状の建物を取り壊しとなるとのこと。Wi-Fiもあるが、利用時間などの制限あり。
・ソフト整備面
魚町銀天街 市民の交流スペースがある。
旦過市場 商売上必要なもののみ存在

この2つのエリアは隣接しながら、全く個性は異なる。

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(魚町銀天街にある商店から考える、持続的な店舗存続方法とは)
チェーン店が目を引き、昔ながらの店舗は少ない印象のなかでも、刃物屋、着物屋などの、昔ながらの持続経営をしているお店も残っている。そのお店が、消えていくかもしれない「もったいない」にならないためには?
を考えてみた。
刃物屋も、着物屋も、ライフスタイルの変化から、お店を開けているだけではお客様は来ない状態だと思います。
モノとしての価値が下がっているという状態です。
だったらどうやって商品を売っていくか?
これは、「モノ」だけを売ろうとするのではなく、商品やサービスに込められて想いを一緒に「価値」として、未来のお客様に届ける必要があるんです!!


私が、倉敷市で観光客を集客する時も、類似する観光地が多い中で、どうやって、他と異なる地域の良さをお客様(観光客)に届けるか?を考えたものです。
有名な観光地であっても、人気のある商品やサービスであっても、今の時代類似のモノがほとんどです。
でも、持続的な集客を実現している観光地や、リピート買いから、ファンとなっていく商品やサービスは沢山あります。

それは、皆のために発信されている情報ではなく、自分だけに届けられた思いになれる、自分にとって特別な価値を想像できる(イメージできる)伝え方が必要だということです。

例えば、
刃物屋さんで言えば、「とっても良く切れる包丁ですよ~」だと、他にある類似のよく切れる包丁との比較をされてしまいます。
着物屋さんだと、とてもきれいな着物で気に入ったとしても、レンタルに類似品があれば、価格の安いレンタルを選ぶ可能性が高まります。
要は、日常品としての扱いになってしまうので、どうしても価格での比較に陥ってしまうんですよね。

だから私は、観光地づくりのとき、観光地の機能(景観がきれいとか、絵付け体験ができますとか、○○な歴史がありますとか)だけを表現することをやめました。
誰と、どんな時に景観を観てもらいたいか。とか、
どんな想いを込めて、倉敷市に観光で来て頂くか。など
ただ、景色や地域飯を売るだけの集客はやめ、来て頂くお客様(観光客)の目線にたち、倉敷市観光に来ることで得られる「価値」を提供する方法へと変えて行きました。

これは、魚町銀天街の歴史あるお店さんにも言えることで、
商品そのものを売る一元客を多くつくることを考えるよりも、地域で頼りにされる存在になることだと思います。
つまり、リピートしてくれる顧客=ファンをつくって行くことに意味があるということです。
ファンづくりの実現=安定的収益が得られる事になり、持続できる商店となり、SDGs11(住み続けられるまちづくり)を支える一店舗(一社)となっていくと言うことだと思います。

(魚町銀天街で、真のSDGs推進をするには?を考える)
でも、住み続けられるまちづくりは、一店舗だけでは実現出来ませんよね。
だったら、SDGs11を実現するには何が必要となるのかについてですが、これについては、取組む地域を一つの組織に置き換え、7つの「S」で考えるとわかりやすいので考えてみます。

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(7つのS)
1戦略(Strategy) 成果を上げるための方向性
2組織構造(Structure) 機能別や事業部別などや、階層数などの組織図上の特徴
3経営システム(System) 組織を運営するための仕組
4共通の価値観(Shered Value)組織に根付いた価値観
5組織文化・経営スタイル(Style)受け入れられやすい考え方、行動
6人材(Staff) 人材。能力面屋メンタリティの特徴が重要
7組織スキル(Skill) 組織としてもつ能力

1~3はハード面の「S」で、4~7はソフト面の「S」です。
比較的変えやすいのは1~3のハード面。
「戦略」を作り、組織構造、システムの、「仕組みや仕掛け部分」は、意思を持ってプランづくりすれば、「エイヤー」でもできます。
でも難しいのは
4~7のソフト面です。
ここは人やスキルレベルなどが強く影響するので、短期的や、強制的に変更することが難しく、強烈な「リーダーシップ」が必要になります。

このことを前提に考えると、まず1~3のハード面は
1は、 SDGs推進を一定の方向性と定めている
2は、 魚町銀天街としての組織を持ち
3は、 魚町銀天街商店会としての組織運営の仕組があります。
でも
4は、 SDGsへの取組みは開始されたばかりですので、価値観として浸透はしていないと考えられます。
5は、 魚町銀天街の通りに並ぶ商店には、SDGsへの取組みなどが明確にわかるようなに共通事項などを確認できませんでした。
6は、 一部の店舗さんでSDGsへの取組みを聞いて見ましたが一生懸命お話くださる方は店主さん。従業員さんは全くお話を聞くことが出来ませんでした
7は、 上記4~6の「S」の印象からも、商店街組織全体での取組みになっているように感じられない。

7つの「S」で整理すると、よくわかるように、ハード面は商店街など組織で作って承認できますが、組織を担う現場のヒトへ、戦略への理解と、実際の行動を浸透させることが実現出来ていない状況だということです。

この1~7の要素に整合性があり、各要素をお互いに補い、強めあいながら戦略実行を実践できれば、魚町銀天街が、真のSDGs推進事例となると思います。

まだ始まったばかりの取組みなので、これからどんどんと浸透すると期待したいですが、ヒトを巻込み、現在人ごとだと思っている人材に意識を変えてもらうこと、納得してもらい自主的に行動してもらえるようになるまでの道のりは険しいです。


今まで、観光客をおもてなしするための仕組作りを、何度も地域を巻込む事業として推進してきた経験はありますが、
同じ意識をもっていない人に対し、想いを伝え、仲間となってもらうことは本当に大変です。

来店客(観光客)のように、外から来る人へ施策を伝えることは手段先行で進めること、つまり「やることを決めて推進」すれば、ファンが増え、集客実績の成果はでてきますが、仲間に向けた内向きの施策は、人の心(感情)が絡むので、強いリーダーシップが必要となり、その舵取りを誰が、どのように積極的に推進し続けられるかで結果は大きく変わってきます。


今回、ジャパンアワードに採択されている現地視察を行って感じたのは
「こうしたい!」の意思(志)を強く持ち、「やり続けること」が結果につながる。
ということでした。


今回、勝手に視察、勝手に感想を書きましたが、私なりに学びは多く、今までおこなってきた
事業の仕組み化や、集客の仕組み化の方法も、ある程度正しくできていたのだなぁ~
っと、自画自賛できたのは大収穫でした!!!


SDGsコンサルのみなさんと散策できたこと、楽しかったです!

3魚町銀天

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