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ヒカステ初日感想(演出・音楽・衣装・ウィッグ)

※ネタバレを含みます

 単純におもしろかったと思う。
舞台上を碁盤にして碁石を動かして場面転換する面白さ、意外に囲碁とマッチするマリンバとサックスの渋い生演奏、そして5巻の内容を2時間20分に収めるための的確なストーリーの省き具合がちょうどよかったように思う。

脚本・演出

 ヒカ碁の中国での実写ドラマ「棋魂」でも、対局中碁盤の上に立ってるような演出あったけど、今回はステージが碁盤で碁石がそれぞれの場面みたいな動き方してて面白かった。
その碁石のセットを動かすときの固定してる仕草に現実味を感じてしまうけど、碁を打つ人が頭の中に碁盤をイメージしてるのとは逆に、碁盤上に自分がいるっていうのが舞台としてお客さんに見せる形になっているし、ヒカ碁で描かれている碁の宇宙や過去未来の中に自分がいる”広さ”みたいなものとマッチしてたのが深かった。
 あと、ステージがそこまで大きくないこともあり、その碁石が3つあっても今どこを見せてるのかわかるステージングでストレスなく観れた。

 舞台にするにあたって的確にストーリーが端折られてたけど、それによって失われた言葉やシーンもあるから、それはもう一回見てから考えようと思う。
でも、端折られるかなと思ってたsaiの強さと正体への興味に海外の人達がざわめくシーンが再現されててよかった。助かった。とにかくヒカ碁は佐為やヒカルの強さに周りがざわめくシーンが面白くて大大大好きだからこれからもどんどんざわめいてほしい。
あとネットが当時のネットで安心した。原作通りの「iMacでEメールが利用できます」。
 細かいところでいうと、加賀が詰碁集をビリビリに破くシーンは舞台の都合上無かったんだけどその代わり投げ捨ててて、詰碁集が床にたたきつけられた時の音に胸が痛くなってこれはこれでありだなとおもった。
あと、歌絵巻ってどういうことだろうと思ってたら、普通にミュージカルだった。

音楽

 音楽に関してはまだ覚えてないんだけど、なぜか塔矢が小室サウンドみたいな曲で歌ってて衝撃だった…予想だにしなかったな。もう一回見て整理する。
 マリンバとサックスがなんの違和感もなかった。すごい。ただ、ステージの両サイドにいるから立ったり座ったりするときに視線が取られて気になっちゃうから、スペースとか照明でどうにかできたらいいのになと思った。

 でも、全体的にいまどき珍しいくらい懐かしい2.5次元感を感じたのはなんでなんだろう。

 小6を演じる難しさ
 碁を派手に見せるためのダンスや殺陣
 衣装やウィッグ、刀の安っぽさ

がそう見せてるのかなと思う。

小6を演じる難しさは回を重ねるごとになじんでいくのかなと思うけど、でももう少しフレッシュなキャストが演じてるのも観てみたいとも思った。
ダンスや殺陣はいるんだろうか、別に囲碁を派手に見せる必要はないと思うけど、舞台として成り立たせるためには必要なのかな。
それなら半端にせずプロジェクションマッピングや音もガンガン入れる方がいいのかなとも思ったけどおそらくそこまでのお金はないし、囲碁の趣が無くなるのかもしれない。それなら趣優先で作ってもよかったのかもしれないけど分からないな。
でも、佐為が冒頭現れるシーンはツカミでもあると思うから、原作にあるみたいな紙吹雪とか、より神秘的な演出してほしかったかもな。

意匠・ウィッグ

 安っぽさは売れればお金が解決するから次回作でマジで頑張ってほしい。
佐為の服の生地が大君に囲碁を教えていた人が着るグレードではなかったし、緒方さんのスーツはもっとハリがあってほしい。客席からでもタバコと香水の匂いが染みついてるんだろうなっていうのが想像できるような生地がいいなー。
あと、加賀の駒和装の駒がクソデカ飛車になってて笑った。
わかりやすくていいんだけど加賀のかっこよさがダサさに引っ張られてしまう気がする。
あと、塔矢のグレーのスーツはパンツの裾の部分の広がりと折りで裾を上げてるデザインが子供っぽくて可愛からそこを見たかったなー。しかも黒の靴下が原作より長くて肌が見える範囲が狭いのはなんでなんだろ。子供っぽい脚を出せないからなのかな、でも裾は広げてほしい。

 ウィッグは塔矢の違和感はもちろんのこと、原作の加賀の髪の広がりは平成の良きキャラデザを表してるから、原作より広がりが落ち着いてて悲しかった。

 劇場スタッフさんに関しては、遅れて来たお客さんをどのシーンでも構わず入れていたのが、改善の余地があるんじゃないかなと思った。結構名シーンの時に前がさえぎられることがあったから、場面転換のタイミングで人入れてほしい。

とにかく、単純に面白かったし続いてほしい。
そして、やっぱ囲碁って面白そうだから棋院が作ったという囲碁のアプリ始めるかーーーとなった。