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[孤独なグルメ in ソクチョ]放棄された空間に込められた歴史と価値を守り、カフェに生まれ変わる
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造船所を経営していた父親が船に使っていた筆跡で書かれた看板、
地元アーティストのパフォーマンスが行われるカフェ、
束草という地域のアイデンティティが詰まったグッズ、
船の展示場があるカフェ、
こんにちは。様々な食とブランディングについて研究しているJaneと申します。 今はソウルを拠点に活動していますが、週末にふと思いつき、「食通のインスピレーションノート」というテーマで文章を書くことになりました。
始める前に、なぜインスピレーションノートかというと、私は美食家として食べ物を勉強し、食べ歩きをしていますが、それをベースに地域の特産品やブランディング、レストランのブランディングについても調べているため、食べ物はもちろん、カフェやレストランのローカルブランディングや地域活性化事業を探しに行くからです。 それを一鉢にまとめるために「インスピレーションノート」という表現を思いつきました。 そんなことをテーマに、韓国の “ソクチョ”という地域を旅してみました。
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ソクチョという地域は韓国の中でも「江原道」という地域の一つです。江原道は沿岸地域にありながら大きな山脈がある地域なので、静かで韓国の田舎の風景をしっかり感じることができる地域です。 日本なら三重県や高知県と似たような自然環境と言えますね。
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今回は特別なカフェの空間ブランディングについてご紹介します。 ソクチョには地元の観光地としてとても有名な「七星造船所」というカフェがあります。
カフェの看板はなぜかチルソン造船所。
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そして中に入ると船が展示されています。
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そしてもう少し中に入ると、とても大きなコンテナ工場型のカフェがあります。
そして、カフェの奥に入ると出てくる全面ガラス張りの窓の前には、海のような湖が広がっています。とてもわくわくする宝物のような光景。ソウチョにそっくりなカフェです。
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そうなんです、このカフェは1952年に作られた造船所をカフェという空間に生まれ変わらせたカフェです。
夫婦が経営するカフェは、夫の父親が経営していた造船所を引き継いで造船所をそのまま運営しようとしましたが、廃業の危機を迎え、造船所を売らなければならない危機に陥り、息子の決意でカフェに生まれ変わります。
廃業の危機に瀕していた時、市の青年企業育成事業から連絡があり、新しい事業をやってみないかと提案があったんです。 その時、センターの様々な担当者の協力を得て、今のカフェが誕生しました。 社長は絶対に造船所をなくしたくなかったそうです。 船を作るのが大好きで、思い出の場所だったからです。
カフェに入ると、カフェの建物以外にも、このように船を展示しているスペースがあります。 そして、お父さんの手書きで書かれた文字や、造船所の歴史を書き留めたスペースもあります。
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カフェの名前が「七星造船所」であることからもわかるように、このカフェは造船所の痕跡をそのまま残し、造船所のアイデンティティを持つカフェです。
安全第一という入り口の文字や、カウンター前にある船を作る機械も。さらには焙煎スペースもまるで大工さんの作業室を連想させます。
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実はこのカフェの一番の特徴は、ご夫婦の特別な思いにあります。社長夫妻は、束草という地域のアーティストを助け、地域の文化活動を積極的にサポートするカフェを作りたかったそうです。
そのため、カフェにはアーティストの独立出版物を販売したり、片側には地域の劇団の活動を広報する展示物を置いたり、「束草アートフェア」のチラシを船の展示場の前に貼っていたりします。
また、たまにアーティストの公演が行われることもあり、その日はカフェの営業は行わないそうです。
造船所なので湖の目の前にあり、2階に上がると湖の目の前でコーヒーを飲むことができます。自家焙煎しているため、新鮮な豆を味わうことができます。
日本で先に有名になり、今では韓国でも大人気の塩パンや、ブルーベリータルト、ホイニャンシィなどは自家製だそうです。
空間を変えたのに、既存のものを捨てずにコンセプトを維持しているのは本当に新鮮なチョイスだと思います。 廃墟となった昔の空間をリノベーションする場合、普通は跡形を消そうとしがちですよね。
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何よりこの開放的な湖の景色を眺めながら、隣にある他の造船所の船を見ながらコーヒーを飲めるのは、造船所だったカフェだからこそできる特権だと思います。
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written by Jane, 2024年5月26日
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