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東京駅の屋根材にある物語#110

今日は、最近感動した物語について書いていこうと思います。

東京駅に関することです。

東京駅の丸ノ内本屋が重要文化財ということをご存じの方も多いと思います。

これのことです!

ただ、使われている屋根材に物語があることはご存じですか?

今日はその物語について書いていこうと思います。

東京駅と雄勝石


東京駅の屋根材は、宮城県石巻市雄勝町産の「雄勝石(玄昌石)」と呼ばれる石材が使われています。

スレートと呼ばれるもので、海底に積もった泥が固まってできた石材になります。
日本では硯に使われてきた石材で、ヨーロッパでは昔から城や教会の屋根に使われてきました。

話を東京駅に戻すと、

東京駅丸ノ内本屋は1914年に建てられて、関東大震災でも大きな被害ないほどに頑丈な作りをしていました。

しかし、1945年の東京大空襲によって大きく損壊し、応急的な処置のまま60年が経過していきました。
(3階建てを2階建てに、屋根形状をドーム型から八角錐型に変更して修復されました。)

ただ、2003年に重要文化財に指定されたことが転機となり、2007年に創建当時の姿を復元する工事が始まりました。

屋根材も補修のため駅舎から20万枚が外されました。
そして、それらは宮城県石巻市の文化財修理業者へ送られました。

1枚ずつ割れなどを調べ、順次東京へと納品していき、13万枚はすでに東京にありました。
残る6万5000枚も2011年7月に納品する予定でした。

しかし、3.11

津波で保管していた倉庫が流され、屋根材はすべて流されてしまいました。

それでも、社員と家族約10人で、2週間かけて4万5千枚を集めることができたのですが、
JR東日本は塩害を心配し、すでにスペイン産の発注を決めていました。

ただ、修理業者の社長さんは
「経験上、洗い落とせば問題なく使える」と考えていました。
そして、東京駅に屋根材が使われていることは地元の誇りでもありました。

それ知った、東京駅の赤レンガ建物保全の市民団体が
「文化財修復では、建築の遺伝子を持つ当初の材料を尊重するのが原則だ」
と要望し、雄勝石が屋根材に使わることになりました。

そして、2012年に雄勝石が屋根材に使われた丸ノ内本屋は復元されました!

おわりに


今日は、個人的に胸を打つ物語について書いてみました。

東日本大震災で誰もがこの先どうなるかわからない状況で、石を探し続けて心に感動しました。

商品でもあるから、仕事のためにやった
そうも捉えられるのですが、それでも何か誇りというか熱いものを感じてしましました。

阪神淡路大震災から28年たつ今日に、このnoteを投稿するのは色々と考えることもありますが、

だからこそ、震災の裏にあった出来事を記憶に残していきたいと思い書きました。

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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