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名前の由来。

 ペンネームを見たときに、「どうしてこの名前を選んだのかな。」と考えるのが好きです。そんなことを考えるくらいなので、自分のペンネームをつけるときはすごく悩みます。どんな響きにするか、どの漢字を使うか、ひらがなか漢字かアルファベットか…。自分で自分の名前を付ける機会は決して多くないので、余計に悩んでしまいます。

 今回の場合、途中までは意外とすんなり決まりました。私の唯一のあだ名は「いっちゃん」です。あだ名で呼ばれるのが好き、正確に言うと私を「いっちゃん」と呼んでくれる人との距離感が好き。あだ名が「いっちゃん」になるようなペンネームであることが、1番の条件でした。そこで、「い」で始まる名前で3文字の名前にしたいから「いちか」にしよう、と考えます。ここまでは良かったのですが、その後しばらく悩みます。

 ひらがなにするか漢字にするか、漢字を使う場合はどんな字を使うか。1文字1文字に意味があるのは漢字の素敵なところでもあり、大変なところでもあります。考えても考えても決まりそうにないので、赤ちゃんの名前決め支援サイトで「いちか」と検索して候補を絞りました。最終候補は「いちか」と「いち香」のふたつ。誰でも読みやすくて柔らかい印象を重視するなら「いちか」。香りのようにふんわりと、誰かの心にそっと残るような文章を書きたいという意味を名前に持たせるなら「いち香」。

 2択に絞ってから、またしばらく悩みました。「その2択で悩んでいるのはどうして?」と聞いてくれた友人に理由を説明しているとき、「私は『いち香』になりたい。」と強く思いました。香りが人に与える印象はとても強いと感じています。香りと記憶は、強く結びついている気がするのです。誰かの心にそっと残る、ふと思い出してもらえる、そんな文章が書きたい。


 こうして、いち香は生まれました。

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