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カルティエ「結MUSUBI」展の話

会期は終わってしまったけども、
カルティエと日本 半世紀のあゆみ「結 MUSUBI」展
を見に行った時のメモ。

東京国立博物館 表慶館で行われたこの展示。
まず建物が!!すんごいんだけど!
お城じゃん。

入ってすぐ、天井を仰げばこの景色。
吹き抜けからエントランスをのぞき込んだらこの景色。


大正天皇のご成婚祝いに作られたというこの建物。
あらゆるところに施されたレリーフ、ドーム天井のステンドグラス、
大理石の床とタイルと豪華絢爛な作りは、その中に実際に入って床を踏みしめることが出来るというだけでもう、ひとり静かに興奮する。
これらが当時の市民の寄付によって作られたというんだからすごい。


この曲線美を見よ!

展示の構成としては、前半がカルティエが日本からインスピレーションを受けてデザインしたジュエリー、後半がカルティエ財団所有の日本人作家の作品、その間にもいくつかのアート作品が差し込まれている、といった感じ。
絵画だけじゃなくて映像や写真、立体造形作品など幅広い。

建物の感じも相まってどこにどんなものが展示されてるのかぐるぐる周りながら観るのが面白かった。


きらきら…
きらっきら…
きらきらのヒョウ…
壁にぽつぽつ、と貼り付ける展示の仕方もなんか独特。ぼやん、、と照明に照らされて高級感が醸し出される。

入口はいってすぐ、展示されているアーティストの個々のインタビュー映像が流れていて、それぞれに展示についての思いを語っていた。
知らない作家さんは、「この人こんな顔でこんなしゃべり方なんだ~」って発見があって面白かった。

<横尾忠則の語っていたこと>
・カルティエ財団の、無名のアーティストを発掘する姿勢が良い
・過去の美術の歴史への復讐をしているんじゃないかと思う
・この場所でどのように展示されるのか興味があったが、上手くまとまっていると思った
・自分の創作スタイルについて
 脳を身体に移動させ、脳化させる。頭で考えるより身体で描いている。アーティストというよりアスリートだと思う


横尾忠則作。今回展示されているアーティストたち、こんな顔なんだねぇ。


上手ぁ。
ISSEY MIYAKEって、アートなんだよなあ。
やたら推されていた北野武

川内倫子
切り取った日常に生と死が見え隠れする写真たち。田舎のじいちゃんばあちゃんを思い出してほろり。ちょうど座って見ている人が扇いでいた扇子から白檀っぽい香りが漂ってきて、それがまたノスタルジーを加速させて何とも言えない気持ちになった。

束芋
現代アートというものがあるのだと認識した10代後半に知った作家さん。キャッチーでシュールな作風が印象的で、今回久しぶりに観て「なんか昔見たことあるぞ!この人知ってる!」ってなった。

松井えり菜
変顔の自画像のひと。ウーパールーパーの人でもある。直視するのを一瞬ためらうほど圧のある絵、POPで独特な空気を感じる作品が面白い。

森山大道
いつもこういう写真作品を見て思うこと。TOKYOの街中の風景撮りがちだけど、いつどこで撮ってるの?私が見てないだけで写真家っていろんなとこにいるのか?笑 とか、バカな感想を持った。



このあいだのDiorもそうだけど、ハイブランドってどこもアーティストの発掘、支援に力入れてるから、こういう展示は知らない作家を知る良いきっかけになる。

カルティエのジュエリーは持ってないし、ブランドに特別な思い入れもないし。っていう私のような庶民でも、
「カルティエは日本との結びつきがあって、昔からの仲ですよ〜、友好的ですよ〜、そして日本の文化、芸術に理解があるんですよ〜、才能を発掘して協力してますよ〜」
って言われるとなんだか印象が良くなる。

今回の展示を観て、ほほぉん、そろそろカルティエのアクセサリーの一つでも所有したいものだわね。なんて思ったもん(単純w)

汗だくで入場して、じっくりと展示を観てやっと汗が引いてひんやりしたところでまたじっとりした外に出て、夏の夕暮れを感じながら帰途に着いたのでした。→このあと数億年ぶりのスタバに行き、銭湯に寄って帰る。


空を見上げたら、なんか不思議な雲だった。

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