ゆかりある日記 その4

滑った
水曜日のダウンタウンの予告で誰でもすべらない話を持っている説をやっていたので、ゆかりさん自分の持っているすべらない話を披露してみる。子供の頃の話で、話す機会があるときにはきちんと笑いを取っていた話。話し慣れているのですらすらと言葉が出る。久々に話してみたけど覚えているもんだ。ゆかりさんはスマホを見ながら、うん、うん、と聞いていたけれど、笑う気配はない。ついにオチの部分に差し掛かったところで鼻で笑われて終わった。

耳を動かすゆかりさん
録画した時効警察を見ていると、耳を動かす特技を披露するシーンがあったのを見てゆかりさんが私も動かせるよ、と言うので、見せてもらう。耳に注目すると、わずかに動いていた。すごい!と驚くと、ゆかりさんは誰でもできると照れていた。僕も挑戦しようとしても顔がくしゃっとなるだけで耳が動いている手応えはない。耳なのに手応え。
ゆうやさんはこういうの苦手そうだよねとゆかりさんが言うが、僕にはこういうののこういうのがわからなかった。

ストレス
久々に小説を書いたんですよ、どんな感じかなーって。そしたら全然ダメで、周りからも評価されない感じで、んーって、思った以上に書けないな、でも案外いけるかもっていう自分の浅ましさが嫌になったし、小説書けなくなったなあというショックです、ちょっと荒れて、友人に甘えに行ってしまった。ゆかりさんにはもちろん甘えた。楽しかったならいいんじゃんと返事が来たので、まあいっか!ってなるのはおそらく明日以降。
ダメダメすぎるので、こってりしたラーメンを昼休憩に食べてしまったし、帰り道でコンビニでコグミを買って全て口の中に入れてもぐもぐしてしまった。ご飯を少なくする理由を考えなければ。

ジンクス
仕事をして昼休憩になった瞬間に、こってりしたラーメンが食べたい気分だなとなったら体調不良になる可能性高。
帰り道、あらゆる味の小さなグミが入っているコグミをコンビニで買ってハムスターのように全てを頬張ると、ストレスがたまっている。
おそらくジンクス。

ジンクス?
どこかの高校の野球部が電車に乗ってきた。皆、坊主で大きなエナメルのショルダーバッグなので野球部の練習帰りだろう。僕よりも疲れた表情をしているのに、皆立ったまま。席はいくつも空いている。そしてつり革も掴まない。体幹を鍛えているのか、座ったら負けるというジンクスだろうか。つり革を掴むことなく、高校球児たちはスマホをじっと見ている。

読んだ本
「つけびの村」を読み終わったので、怖いものが好きな母にLINEを送る。読むと返事がすぐきたので、いつか会った時に渡そうと思う。怖かった。後半のある部分でページをめくる手が止まらなかった。文章を読んでいるだけなのに緊張感があった。ただ僕には地方がわからない。

ジンクスではない
電車でつり革を掴まないで立ち続けている高校球児たちは、一人の先輩が「おつかれ」と駅に降りていったのを確認してから、息を吐いて各々座り始めた。僕の隣にも座ったので、スマホの画面がちらっと見えた。サッカーゲームだった。野球部ではない?坊主なのに?エナメルのショルダーバッグなのに

#日記

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