ゆかりある日記 その7

夜遊び

22時くらいにゆかりさんを散歩に誘う。単純に僕の飲み物が冷蔵庫に入っていなかっただけ。
近くのコンビニまで、徒歩3分くらいの夜道を歩く。家でくつろいでいた後、外に出ると不思議な感じがする。もう誰も僕らを咎めることはないのに、妙な背徳感がある。夜にバレないように外に出ているのかもしれない。
街灯が点々としていて、二人並んだ影が伸びては消えていく。特に話すことは、さっきまで観ていた金曜ロードショーの「僕のワンダフルライフ」についてで、ちょっと前に二人で観て号泣した時を思い出す。ゆかりさんが泣く映画なので、相当な映画だと思う。コンビニに寄り飲み物を買って、一緒にソフトクリームも買う。二人分。持ち帰ります、と言うとソフトクリームにコーンの蓋をつけてくれる。それを二人で無言で食べながら来た道を戻る。

間違えるゆかりさん
ゆかりさんは夜中にやっているポケモンのアニメを録画している。時々一緒に観ると、初放送が98年とあって20年前なのか、と衝撃を受けてしまう。アニメではCMに入るときにポケモンのシルエットで、誰ーだ、とクイズを出すのだけれど、ゆかりさんは自信満々でそのクイズの答えをテレビに向かって答える。
今回も「ガーディアン!」と言っていた。シルエットを見るとウエンディで、ガーディアンってポケモンいたか、と思っていると、テレビもシルエットの答えも「ウエンディ!」と言っていた。ゆかりさんは恥ずかしそうにガーディアンというポケモンがいないか調べていた。いるのはガーディだよな、と思い出すと同時にゆかりさんもいたのは「ガーディ、だった」と僕に聞こえるか聞こえないかの声でつぶやいていた。

眠るゆかりさん
家の近くの工事が本格的に始まり、音が大きく響く。何をやっている音なのかわからないけれど、文字にするならばガ行がずっと響いてゆかりさんも僕も起きてしまう。二度寝できないので、本を読んでいたら横でゆかりさんはインターネットで見かける頭を下げて眠る猫のようにうつ伏せで寝ていた。体が痛くないのかな、と声をかけると今寝ようと思っていたのに!と怒られてしまった。

#日記

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