眠る前に書く

眠る前。バイクが通る音が響いて消えると、ゆきさんの寝息が聞こえる。リズム良い寝息を聞きながら、画面を暗くしたスマホの画面で今日の日記を書く。
今日は電車の中でふと、小説を書いた。書こうと思っていた小説とは全く違う小説で、文章が思い通り浮かんだのでとても気分が良い。きっと脳の容量がまだ空いていたのだろう。少し書いて終わり。
あとはずっと台風が近づいてくるからか調子が良くない。ゆきさんも朝起きるのが遅い。僕もずっと重たい。
原因がわからないので全部台風のせい。誰かが怒鳴る声が聞こえる。マンションのどこかで喧嘩をしているのだろう。少しだけ体が固まる。苦手なので。喧嘩の声が続くならば、スマホを閉じて目を閉じて気絶するように寝ようかと思ったが喧嘩の声は続いていなかった。耳をすませば聞こえるのは、少し遠くの川の流れる音とゆきさんの寝息。ゆかりさんはテレビを見ている。ずっと録画しているゲゲゲの鬼太郎を見ている。

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