ゆかりある日記 その3

疲れ気味
ゆかりさんの帰る時間を聞いたあとは「アイスクリーム」と絵文字しか送られて来なくなった。「アイス食べたいの?」と返事をすると尻尾を振っている犬のスタンプ。ゆかりさんはアイスをアイスクリームと言うタイプ。

見に行くゆかりさん
家の近くの大きい家が取り壊されていて、今日家の前に紙が貼ってあったらしい。帰り道に見に行くんだ、と浮かれていた。家の前に着き、ゆかりさんは小走りで貼り紙を見ていた。車が近くを通ってもじっと見ていた。光がゆかりさんを舐めるように通っていった。
「なにができるかわからなかったよ」
戻ってきたゆかりさんは言った。あんなに見ていたのに。
「ただアスベスト、アスベストを除去?アスベストがあるんだって」
短期間でアスベストと3回くらい言う。アスベストかあと何度も言っていると、家の壁にカマキリがいたらしく、
「見たことがない虫がいる」と興奮した声をあげていた。
僕がカマキリだよ、と教えると「あんな色のカマキリ、初めて見たなあ」と家に入っていった。茶色のカマキリは壁に動かずじっとしたまま。

確認するゆかりさん
「おやすみー」と言ったけれど、スマホで漫画を読んでいたら、じっとこちらを見ている視線に気づく。なんでこっち見てるのってたずねると、寝ているかの確認をしているらしい。寝ないな、 と思われたのか視線は自分のスマホに戻っていたので、「おやすみー」ともう一度言うとまたこっちを見て寝ているかの確認をされた。

#日記

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