ゆかりある日記 その19

嫌になるゆかりさん
部屋の模様替えをした。
台所にテーブルを置こうと考える。
ゆかりさん探すが、もう嫌ー、テーブルなくて良いーとスマホを放り投げる。ゆかりさんが探さないと、わたしのセンスでは家に帰る度に、違うなあと思ってしまう。ゆかりさんをおだてて、また探してもらうようにしてもらわなければ。
しかしゆかりさんはもう探したくない。板で良いよ板で、と投げやりになっている。プロゴルファー猿のクラブのように手作りになってしまう。
台所にテーブルある生活がいい。

カラスが嫌いなゆかりさん
夜中から朝にかけてカラスがずっと鳴いていた。カーカーと鳴くたびにゆかりさんは心配な表情で窓の外を見ていた。ゆかりさんはカラスが大の苦手だ。2度ほど襲われたことがあるらしい。なので道でカラスを見かけるとゆかりさんは急に静かになる。気配を感じ取られたくないのだろう。
家の中にいてもカラスのことを心配してしまうゆかりさんのために、インターネットでカラスが襲う前の鳴き方を教える。カーカーじゃなく、ガーガーって鳴くらしいよと伝えると、はっ!と顔をして窓の外を気にしなくなった。しかし一度だけガー!と鳴く声が聞こえ、ゆかりさんがこっちを見てガーって鳴いた、と教えてくれた。どこかでカラスがゆかりさんを襲う準備をしているのかもしれない。

#日記

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?