ゆかりある日記 その10

電気のリモコン
日曜日の夜中にやっている乃木坂欅坂日向坂の番組を見るのが週に一度の楽しみになのだけれど、ゆかりさんはアイドルに興味はなく、さらに日曜日は早番で早起きしているので一緒に見ることは少ない。横でゆかりさんが寝ている中、僕は番組を見る。アイドルたちが頑張る姿を見て、娘が頑張っているような視点で見てしまう。
横ではゆかりさんの寝息が聞こえ始めた。なぜか電気のリモコンを持ったまま寝ている。消すときどうしよう。起こしたら怒られる。起こさないようにリモコンを取ろうとしたが起きてしまった。小さなサイレン音のような声を出しつつ、再び寝てくれた。

寝起き
ゆかりさんは起きるとすぐに「変な夢を見た」と夢十夜の冒頭のように教えてくれる。
今日はみんなで踊った、らしい。どんなの?と聞いても、手を盆踊りのように少し挙げて、なんか踊った、と教えてくれなかった。

近所の犬
僕に全く興味を持ってくれない近所の犬が近くを歩いている女性に尻尾を振って媚を売っていた。
お前そんなやつだったのか、とごんぎつねを見るような目で犬を見るが、目は合わないまま。
一方通行の片思い。犬には好かれるはずなのに。そして近所の猫には怯えられている。歩いてきただけで走って逃げられる。

じっと見つめる
帰宅してカバンを下ろして部屋着に歩きながら着替えていると、ゆかりさんの足を蹴ってしまう。「痛っ」声を聞いたけれど、着替え続けていたら視線を感じる。すごい視線を感じるけれど、着替える。着替え終わっても視線を感じるのでゆかりさんを見るとこっちを見ていた。謝って欲しそうなので、目をそらした。
それでもゆかりさんはこっちを見ている。

#日記

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