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百均で買った「素敵」

私は百円ショップ創成期から百均を利用しており、さまざまな時代を体験しました。
「百均誕生の瞬間から知っている」と言っても過言ではありません。
そんな私の百均の思い出+アレコレです。

当初はバッタもん(倒産品)の雑貨を扱うケースが多かったと思います。
「バッタもんです」とは書いてないけど、ディスカウント品をたくさん見て来た貧乏人ならではのカンです。

次は輸入雑貨+メーカー余剰品時代。
これはけっこう長く続きました。個人的にねらい目だったのはこの頃。
価格設定のバグった素敵なモノがたくさんありました。

やがて現在のようなオリジナルプロダクツ時代が到来し、今や日常生活に不可欠なメジャーな店になったわけです。

もちろん当初は単独の店は存在しません。
世間の受け取り方はまだ「うさんくさい商売」って感じで、イベントスペースやテントでの出店をけっこう見かけました。
スーパーの駐車場や出入り口に期間限定で出店する、お祭りの屋台感覚です。
おじさん1人とか、夫婦で出してる感じね。
商売として成立することがわかってくると次第に店舗の一角を借りて常設するところが増えていきました。
個人のお店もけっこうあって、この頃にDAISOができました。
それまでの百均はすべてお店独自のスポット商品だったのでほぼリピートすることができなかったんだけど、DAISOの登場によって「買い足し」もできるようになりました(運が良ければ)。

私の実家の街ではデカいスーパーの敷地三分の一ぐらいがDAISOになってたことがあります。
そのスーパーは当時かなりさびれていて、特にDAISOの一角はだいたい誰もいませんでした。今みたいな賑わいやメジャー感は皆無。
たぶん殺人事件が起こっても翌日まで発覚しなかったと思います。
DAISOも当初は若干あやしい店でした。
今でいうとオリエンタルな食材屋みたいな印象かな?
「私は行かないけどああいうの好きな人は行くよねー」みたいな。
この頃はメーカー余剰品をたくさん仕入れていた印象。
人が少なくて品物が売れるペースも遅いので私にとってはパラダイス。
実家にいる時は日参していろいろ買い込んでいました。

私が覚えている素敵なものをいくつか紹介します。

ガラス瓶のインテリア
1リットルぐらい入る大きめのガラス瓶。
魚のカタチや家のカタチで色もさまざまだったけど、今みたいに在庫が揃ってるわけじゃないのでバリエーションの全貌は不明。
今よりももっと「なくなったら終わり、もう二度と入ってこない」という状態なので、並んでいるものを買うしかありませんでした。
「このカタチでこの色」っていう希望があって入荷を待っていたのですが、やはりなかなか入って来ないので売り切れる前にと店頭のものをまとめ買いしました。
けっこう気に入っていて、今も実家で飾っています。
いちばん好きなのはビスチェをまとったトルソー型のものです。
ゴルチェの香水みたいで超クール。
同じものを買ったら普通に2000円ぐらいすると思うし、当時も雑貨店なら1000円以上したと思います。

ガラスの大皿
30㎝オーバーのガラスの大皿や鉢がどっさり並んでいた時期があります。
「こんな豪華なものが100円!?」と狂喜したのを覚えています。
とてもしっかりしていて見た目も美しい。
けっこう長い間あちこちで見かけたので大量に買い付けたと思われます。
シールも何も付いてなくて正体不明でしたが、30年ぐらい前なので日本製だったんじゃないかな。
どこかのガラスメーカーが倒産したんでしょうね。
私は魚の形のグリーンの大きなお皿を買いました。
たぶん今も実家にあります。

ガラスの蓋つきキャニスター
百均でゲットした中でいちばん好きなもの。
期間限定で出店していた個人の百円ショップで買いました。
昭和レトロを思わせる素朴なシェイプで、蓋だけ不透明な水色ですごく可愛い。
こちらは「フランス製」のシールが付いてました。
たぶん閉店した輸入雑貨店から流れて来たのかな?
人生悲喜こもごもです。
実家にもありますし、今、自宅でも飾っています。

フォトフレーム
今もフォトフレームはお買い得商品なのですが、昔はすごくしゃれたものがありました。
おかげで私はフォトフレームに困ったことがありません。
中に入れる写真をしっかり選ぶ時間がなくてフレームばかりが増えていく。
フレームコレクターみたいになってしまいました。

チェリーボンボンの輸入チョコレート
代表的なスポット商品で、佐賀のDAISOで1回だけ見かけました。
お酒に漬けたサクランボが丸ごと入ってます。
ピンクの高級感あふれる包み紙にくるまれたチョコ3個、箱入りで100円。
もともと好きなチョコだったので「100円とかありえないでしょ!」と大興奮してケース買いしようと思ったんだけど、私は一度にたくさん買えない貧乏症。さしあたって5個ぐらい購入し、次に来た時に買い占めようと思ってたら売り切れていて大ショックでした。
以来、このチョコレートはまったく日本で見かけなくなりました。
廃盤になってDAISOが買い取ったものだったのかもしれません。

イタリア製シトラス柄グラス
こちらは5年ほど前の商品なので持っている人も多いかと思います。
オールドファッションのタンブラーで、レモンとオレンジの2パターン。
オレンジ色、黄色、水色というカラーリングが「晴れた早朝」を連想させてとても爽やかなんです。
しかもイタリア製だというので3個ぐらい購入し、現役で使っています。
水差しもあったんだけど買わなかったんだよねー。
ヨーロッパのカフェ風でしゃれてたんですが、、、当時からモノが多くて食傷していたので断念しました。
買ったらよかったなあ。

倒産品や余剰品を売りさばくスポット商品から始まった業態なので、百均はいつか終わるだろうっていう気持ちがずっとあります。
「いいものは買っておかないとなくなるよ」
って、ことあるごとに家族にも言ってきました。
確かに手に入らなくなった商品はたくさんありますが、業態としての百均はめちゃくちゃがんばっていて、けっこう長く続いてるなあと感慨深いです。
一重によいものを安く提供しようという企業努力のたまものですね。
しかし私は、日本の優れたメーカーが買い叩かれる状況は良くないと考えています。
たとえば日本製のツバメブランドのトングが100円で出ていますが、これはありえない。
余剰品を買い取って安く売ってくれるのは大歓迎だけど、百均のためにそれ以上で売るべき品を薄利で売るのは正解とは言えない。
いいメーカーがつぶれたら私たちはいざという時に国産の高品質の商品を手に入れることができなくなります。
貧乏人の私にはとてもありがたいんだけど、こういうところがめぐりめぐって日本人の給料が上がらない状況が作り出されているわけです。

良いものは高い。

あたりまえな意識にシフトする時期が来ているのではないでしょうか。

つらい毎日の記録