見出し画像

【解説】サイボウズ海外事業、大勝負の知られざる実態

Primaryの過去記事も読める

Primary メンバーシップ

2023年9月より開始しています!

*    *    *

国内クラウド企業の雄、サイボウズが国内上場SaaS企業の中で最も海外挑戦に意欲的であることをご存じだろうか。

成長の柱である「kintone」を中心に米国、中国、東南アジア市場へ展開。「日本発のグローバルクラウドベンダー化」を狙っている。

海外事業における5年間の累積赤字額はおよそ68億円*

上場SaaS企業を1社を生み出せる規模の先行投資を行っているが、青野氏が「ほふく前進のような成長」と語る通り、現時点の海外売上高は7億円弱*と挑戦は道半ばだ。

グループウェアの開発、クラウドビジネスへの転換、パートナーエコシステムの構築など、先進的な取り組みによりARR220億円を突破したサイボウズ。海外挑戦は次なる成長のエンジンとなるのか。

代表取締役社長青野氏への取材を交えながらサイボウズの戦略に迫っていく。

青野 慶久氏 | サイボウズ代表取締役社長
1971年生まれ。愛媛県今治市出身。大阪大学工学部情報システム工学科卒業後、松下電工(現 パナソニック)を経て、1997年サイボウズを設立。2005年4月代表取締役社長に就任(現任)。社内のワークスタイル変革を推進し離職率を10分の1に低減するとともに、3児の父として3度の育児休暇を取得。2011年から事業のクラウド化を進め、2020年にクラウド事業の売上が全体の75%を超えるまで成長。総務省、厚労省、経産省、内閣府、内閣官房の働き方変革プロジェクトの外部アドバイザーを歴任し、SAJ(一般社団法人ソフトウェア協会)副会長を務める。

* 累積赤字額及び海外売上高はPrimary推計値(算出は後述)
* 本記事は「Next SaaS Media Primary」とBusiness Insiderの共同企画です。前編はこちら。
* 本記事は、サイボウズ及びその他のSaaS株式への投資を推奨するものではありません。

常に「時代を先取りしすぎてきた経営」が事業成長を呼ぶ

ここから先は

3,072字 / 5画像
この記事のみ ¥ 680
期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?