【保存版】いまさら聞けないSaaS企業決算資料のイロハ
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今週から、注目SaaS企業の決算発表が目白押しです。
X(Twitter)にも数多く情報が流れてきますが、知っているようで知らない決算資料の読み方。
上場企業の決算データに15年以上携わってきたPrimaryアナリストがSaaS決算資料の基礎を解説します。
単に理解を深めたい方だけではなく、将来SaaS企業のマネジメントを目指す人も必見の内容です!
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初心者が抑えるべき資料は「決算説明資料」だけでいい
SaaS関係者の方であれば、ニュースなどで「今期のSansanの決算は、、」といった記事を目にする機会があると思います。
詳しい方であれば「決算短信」や「有価証券報告書」といった上場企業が開示する資料を直接見る方もいるかも知れません。
そもそも、世間で言われる決算情報とは何でしょうか。
■ 上場企業が開示する主な決算資料は3種類
まず、前提として、詳細な決算情報を開示する義務は上場企業にはありますが、未上場企業はその限りではありません。(未上場企業でも開示義務がありますが、上場企業に比べると情報は限定的です)
上場企業であれば、企業の開示資料から様々な分析が可能となりますが、未上場企業の財務状況やKPIなどは一般的な公開情報から把握することは難しいことを覚えておいてください。
例外的に「うちのビジネス順調です!」というアピールのため、自主的に明らかにするケースはあります。
一般的にも決算が話題になる場合は、上場企業のニュースがほとんどです。
では、なぜ、上場企業は決算情報を詳らかにする必要があるのか。
それは、投資家保護を目的として金融庁や証券取引所から決算書を中心とした開示資料の提出が義務付けられているからです。
「決算資料」と言われるものは、このルールに沿って提出された書類をさします。
上場企業が提出する決算資料は以下の3つです。
(厳密にはもっとありますが、一般用途としてはこれで十分です)
「3つもあるの!?」と思われた方がいるかも知れませんが、初心者の方がチェックすべきは、「③決算説明資料」だけで十分です。
これらの決算資料は、業績などをステークホルダーに伝えることが主目的であり、そのメインコンテンツはPLやBSといった財務情報になります。
「①決算短信」は、その財務情報を「なるだけ早く伝える」ことにフォーカスした資料であるため決算末日から45日以内に出すルールとなっており、内容はほぼ財務諸表で構成をされています。
一方で、「②有価証券報告書」は提出期限が90日という猶予があり、内容も決算短信のような財務諸表だけでなく、株主の状況や、役員、従業員、設備など、多岐に渡る資料となっています。
「②有価証券報告書」はいわば企業情報の"総合デパート″的な位置づけであり、上場企業が開示する資料としては、内容が最も充実しています。
決算に対する理解が深まってきたら、一度通読してみてもいいかも知れません。
初心者の方が決算を理解する上で、まず読むべきは「③決算説明資料」となります。
決算説明資料は、決算短信と同時に公表される資料となっており、財務内容やKPI、企業の重要なトピックを分かりやすくまとめています。
「決算短信」や「有価証券報告書」は、縦型資料で、文字と数値で構成されたPDFですが、決算説明資料はスライド形式になっており、図やチャートなどが充実しています。
機関投資家や個人投資家などもまずはざっくり上場企業のビジネスを理解する時は、この「決算説明資料」を最初に読みます。
■ それで、決算説明資料はどこにある?
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