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宝塚変身写真撮影でスタッフさんたちのあふれる愛を感じた

数年前の一時帰国のときに、関西で上演する舞台を観に行くことになり、ついでに久しぶりに宝塚を観たいなあと友人に話したら、チケット手配するよ!と言われたので、お言葉に甘えてチケットをとってもらった。
もう宝塚を見なくなってから随分経つので、生徒さんたちはよくわからないけれど、久々に煌びやかなショーとか見たい!と思ったから。
以前、宝塚を見たことのない友人が、宝塚大劇場にあるSalon de Takarazuka ステージスタジオという扮装写真を撮れるところで、扮装写真を撮っていたのを思い出した。

あ、あれ、私もやりたい!

同行の友人は、そこそこ高いお金を出してまで撮りたいとは思わないけど、私がやりたいなら付き合うよ、と優しいお言葉。メイク中は見られないようだけれども(門外不出の技術?)、撮影中は同行者も見られるシステム。
時間潰させてごめんね、と思いつつ、予約した予定時間に受付に行くと、先ずはその場でタブレットを見せられて、好きな衣装、鬘、持ち物とその背景を選ぶことに。
私は事前にホームページで予習していたので、宝塚といえばこれ!なベルサイユのばらのオスカル様とアントワネットを選択。
追加料金で、男役と娘役の両方もメイクしてもらえるなら、折角だから両方体験してみたいよね。
後は、自分の知っている作品にしたかったのと、輪っかのドレスを着てみたかったから。
色味は2枚とも違う色にしたかったので、違う色の組み合わせにして、アントワネットさまの鬘も羽根盛り盛りの派手なのを選択。どうせやるならとことんまでやろうじゃないですか。

既にジェンヌ気分?になりつつ、お化粧を落としてください、と言われた鏡のあるコーナーに向かうと、これまたちゃんと化粧前のようになっている!
ティッシュボックスカバーがちゃんとフリフリしてる!
なんという細やかな心遣い!
普段のお化粧を落とすと、今度は実際に顔を作ることに。
美容院のように大きな鏡の前に座り、担当してくださるメイクの方がいろいろと説明してくださる。
娘役と男役の両方を撮影する場合、先に娘役メイクをするのだそう。娘役→男役は書き換えができるけれど、逆は難しいのだとか。なるほど。

私自身もバレエやダンス公演で舞台メイクをするけれど、あくまでも自己流なので、どんなふうにメイクをしていくのか興味津々だったので、そのようにお伝えしたら、そのせいかどうかはわからないけれど、細かく作業(と言って良いと思う)について教えてくださった。
娘役メイクだとこういう色を使うんですよ、とか、本当の舞台では違うけれど、こちらではこうしますね!とか。
その説明の丁寧さと、作業が進む度に、都度可愛い!とか、綺麗!とか必ず恥ずかしくなるような褒め言葉が付いてきて、どんどん気分も上がってきて、わくわくしてきた。乗せられやすいな、私。

顔が仕上がると、今度はお衣装だ!
カーテンで仕切られた個室のようなところに、既に輪っかのドレスの輪っか(輪っかの骨組みの入ったペチコート)が置いてあって、そこの真ん中に入る。すると、スタッフさんがするするとウエストまで輪っかを持ち上げてくださり、無事に輪っか着用。
これが、かの有名な輪っかか!と思っていると、数人がかりで、ドレスを着せられ、一人が後ろの部分を止めている間に、一人は手袋をはめてくださり、一人は鬘を被せてくださり、と、あれよあれよという間に出来上がり。
凄い…早い…と思わず呟くと、時間との戦いですから!とスタッフさん。早替わりのようでびっくりしたよ。

着替え終わると、いよいよ撮影。
最初に選んだ背景が既にセットされている。おおおー!
同行の友人も、既にそこにいた。
彼女も私を見て、おー!ヅカだ!と。専科にこういう女役さん、いそうだよね!と二人で大笑い。
セットの前に立つと、持ち物を持たされて、ポーズを指定される。なるほど。もう少し右肩を上に、とか、顔をこちらの向きに、とか、いくつかのポーズをしていくのだけれど、そのときも撮影スタッフさん、先ほどのメイクさんたちがこぞって褒め上げてくれる。凄い!
まるで、昔のカメラマンのイメージで、モデルさんに「いいよ〜綺麗だよ〜」と言って、乗せながら撮影していくよう。私の方も、ここは乗ったほうが勝ちだろうと、私はタカラジェンヌ…!!(キラキラ)な気持ちに。

撮影中も、ちょっとした角度でお衣装の後ろ側部分を詰めてくださったり、とにかく、少しでも美しく、タカラヅカな仕上がりに!というスタッフさんたちの心意気が伝わってくる。
これは、もう楽しむしかないでしょう。

娘役(私の場合、専科女役)衣装での撮影を終えると、メイク変えで男役メイクへ。
オスカルはオスカルブルーを入れるんですよ~、というメイク担当スタッフさんの説明にふむふむと頷く私。
眉毛をキリっとさせ、アイラインも娘役の丸いラインから、切れ長にすっと変えると、確かに男役顔になっている!
タカラジェンヌのような華やかさには欠けるけれど、元がド素人の私だから仕方あるまい。

オスカル様のお衣装も、太さ調節可能とはいえ、何段階かあるようで、パンツだったかトップス(と言っていいのか)だった忘れたけれど、一度着たのが大きすぎて、違うサイズに着なおしてから撮影に。
なるほど。いくら背中側でサイズ調節可能とはいえ、余りに太さが違うと正面から見たときにみっともないからね。

で、このときに胸を開いて、肩を落として…とバレエやダンスのレッスンのときのように立ったところ、もう少し肩を前に…と言われ、前?と怪訝に思っていたところ、友人から「胸が目立ちすぎる!」と横から一声。ひえええ!男役(姿)に胸はいらん!
このときは、アントワネット様のときとは違い、かなり猫背のような感覚で撮影したのだけれど、出来上がりを見たら、そんなに猫背に見えなかった。いっそのこと和装用下着とかを付ければよかったのか。知らなかったけど。
という訳で、胸のラインが気になる方は、下着にご注意ですよ、皆様!

そんなこんなであっという間に時間は過ぎ、撮影終了。
先ほどの化粧前(もどき)に戻ってきて、用意していただいているメイク落としを使って落とす前に、最後に友人と撮影。
メイクをしているときや撮影中は自分で撮ることは禁止されているけれど、楽屋(じゃないって)というか化粧前での撮影は許可されているので、ここぞとばかりにあらゆる角度からのメイクポイントを撮影しておきました。
そうそう、親切なスタッフさんが、待っていた友人とのツーショットも撮ってくださったりして。

後は自前の普通メイクに戻して、帰途に着いたのだけれど。
今でも思い出すと、にこやかになってしまうくらい、本当に楽しかった!
その大部分は、絶対に楽しんで帰ってもらおうという意気込みのスタッフさんたち全員によるものが大きいと思う。
単にメイクして、衣装着て撮影、というだけなら、ここまで楽しめたかどうかわからない。
私はもうタカラヅカファンを名乗れず、昔好きだったんです、としか言えないけれども、全てのヅカファン、元ヅカファンを楽しませてくれる場所だった。見てただけの友人も楽しんでいたしね。

機会があれば、チャレンジしてみませんか??






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