えみさん

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『猫を棄てる 父親について語るとき』について

新聞広告でこの本を見た時、今ふうに言えば胸に刺さるものがあった。 村上春樹の作品は「読まず嫌い」に近くほとんどスルー状態だったのに、である。 刺さったのは「猫を棄てる」と「父親について」の二語に他ならない。私には、母親に命じられ強制的に猫を捨てに行かされた父親の思い出があり、その思い出は少女時代から今日に至るまでずーっと記憶の片隅に在るからだ。 だから娘が「これ、読む?」といって本を差し出したときは殆んど反射的に受け取った。 驚いたことに中には私の少女時代の記憶を映したので

    『猫を棄てる 父親について語るとき』について