役に立たないこと(石川啄木『硝子窓』を読んで)
石川啄木の『硝子窓』を読んで、芸術や学問と大衆や実生活との結びつきについて考えたこと。
まず『硝子窓』については、「芸術や学問と大衆や実生活という両者の間には決して埋まらない差が存在していて、それゆえに芸術や学問に関わる者にはやるせなさや悲しみがつきまとう」と内容を解釈している。文学の世界について一歩距離をおいて論じているようで、一方では文学からけして離れられない自分自身への啄木の葛藤をまざまざと感じた。硝子を隔てて世界を見ているようで、その見ている世界の中には硝子に反射し