にんげんたぬき

思い出などをだらだら〜と。 動物好き(特に犬、猫、牛、山羊)。 平成生まれの獣医師。 …

にんげんたぬき

思い出などをだらだら〜と。 動物好き(特に犬、猫、牛、山羊)。 平成生まれの獣医師。 書くことと描くことが好き! 食べることと寝ることが大好き!!

最近の記事

そうだ。獣医になろう。

ロッシはおっとりマイペースだ。 おまけにとっても甘えん坊。 母のあとをヨチヨチとついて歩く。ピアノの脚をガジガジしてる。あー、漆黒のピアノがー。あー。かわいい。 なんてかわいいの。何をしていても愛おしい。相変わらず私の意識は100%ロッシへ向いている。 周りの子たちより丸い体、荒れた肌、モテない自分、明確な目標がない自分。そんな悩みはロッシが来た日からどこかへ吹っ飛んだ。 唯一、気を揉むことがあるとしたら、ロッシが普段の様子と違うときだ。 あれ?今日はごはん残すの? あれ

    • ロッシ現る

      私は高校3年生になった。 周りは、受験やら、引退間近の部活やら、彼氏だの彼女だの、何かに夢中だった。 私は、まだ見ぬ怪獣と相見える日に備えて、精神統一に必死であった。 いよいよロッシがやってくるのだ。 心の準備はできる限りした。走って逃げたら追いかけられるので、ポーカーフェイスで堂々とするんだ。イメトレは完璧だ。私はもう、ミニチュアダックスフンドに追いかけられて半べそになったあの頃とは違う。身も心も成長している!! 家の中はすっかり犬仕様。 サークル、クレート、おもちゃ、

      • とんとん拍子

        「健康のためにウォーキングを始めようと思っていた、ウォーキングのお供がほしい」 「ロッキーにもお友達がいたほうがいい」 「子供たちが大きくなって、ママが寂しそうだ」 と、いうことで我が家に犬を迎えようと父は言った。 父は決めたら早いのだ。決めるまでも早いのだが、決めたら光の速さなのだ。 翌日には犬種図鑑が2冊ほどリビングのテーブルに並んでいた。 父と母は真剣な眼差しでそれぞれ犬種図鑑を読んでいる。 ん?母は犬を飼うことに賛成なのか?よく分からないが、完全に流れに身を任せてい

        • はじまり

          雪の積もる寒い日のこと。 じゃらじゃらじゃら。 いつもは聞こえない音が外から聞こえる。 何の音だろうね、と家族で話しつつ、そこまで気には留めていなかった。 その音に気が付いたころには、もう辺りが真っ暗だったので、そのまま眠りについた。 翌日。 「セントバーナードがいる〜」というワクワクしているような、戸惑っているような母の声で目が覚めた。こっちこっちと言われて家の裏口から外へ出る。家の裏に面しているご近所さんのお宅から、金属のリードで繋がれたセントバーナードがのそりのそりと