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やっと出会えたよ

どうしても行きたい所があって、
やっぱりどうしても行きたいので行く。

ここからそこはなかなか遠いが行く。

朝一番で絶句した。

いきなりステー・・じゃなくていきなり雪!
確かに天気予報は名古屋から西は雪でしたが、ここまでしっかり当たるとは!!!

予約制なので時間が遅れたらどうなるのか不安を抱きつつ乗り込んだ電車でしたが幸い遅れは影響せず。というか、開館30分前到着を予定した新幹線だった(なぜそんなに早くしたのか今もって不明)

関東もとても寒い朝でした。

いつも大抵名古屋の方が寒いって話なんですが、今回は同じくらいに寒いというかむしろ風が強い分名古屋より体感温度は下がり気味。

ついた場所はSONPO美術館

実は昔この方の展覧会があったのですが、その時も東京。
どうにも名古屋に来る様子が無いので、とうとうこちらから訪問です。


川瀬巴水さんの展覧会。正直言いましょう。すごい点数で、
自分は朝10時からでしたが観終わったのはなんと14時・・・。
どうりで足が疲れた筈だわ( ;∀;)

簡単な説明。川瀬巴水さんは版画家です。(・ω・)
細かい説明は端折って、写真撮影ができる場所があったので
そこでの写真から軽くご案内。

少し前にみた山岳版画で有名な吉田博さんとはまた異なるもっと繊細な版画でかつ叙情を感じる作品を輩出しています。

が、繊細な版画とは異なる部分がちらちら。
版画は沢山擦れる=枚数をたくさん売れば儲かる。
割と版画家の人は商業ベースにどうしても作品を考える環境にもなるのかもしれません。というもの一人で行えないので売れる事を前提なんですよね。

もう一度版画についてと話を変えて、

この日にぴったりな寒い絵

旅情画家と言われる位その場所に出かけてみたくなる。


一見単純な配色に思えてしまうけど・・・

何色も重ねて作る版画。すごいなぁ。



そんな版画の出来上がるまでを今回は刷りの時点からの解説がありました。
今回自分があれれとなったのが、下絵を描いて、トレーシングペーパーみたいな紙に写し取り、それをそのまま版木に張り付けて彫るって事を知ったというか。吉田博さんは自ら彫もしていたのでそこがね。

この時点でも十分な美しさ。


これ、どこに着色されたかわかります?

全体と
白い部分も着色されてた。(空になる部分)


そして今度は影となる部分の着色

なんとなく想像がついてくる


青空と木々の緑が着色されます。


己が映り込むのはご愛敬でお願いします(*'ω'*)


まだまだ何度か彩色されてここまで。たしかこの前に3-4回あったかな。

細かい人の技が美しさを産むのだなぁとしみじみ。


という事で分業=他人を沢山雇う=お金が掛る。
採算が取れないものは摺れないというなかなか厳しい状態で、廉価で小ロットを容易く印刷できる訳でも無く・・・。
旅をしながらスケッチをしつつ、作品を売ってもらえる相手を探したり、
旅先で紙をよこしてほしい(多分下絵を描きたいから)なんて話が手紙で書かれる程。

なんだか大変だなと知る。けど、絶えずお金が頭にあるってなんだか変な意味で夢をぶち壊し系なんだよなぁ。

これ松坂屋名古屋とあるので多分本館だよね。

誂えが高級そうなので、そこそこ財を得ていたのでしょうね。

さて、かくいう自分も川瀬巴水さん、外国で見たのが初だったんです。
30代の頃NYのギャラリー(どこだか忘れた)で飾られていて、ぱっと見では「あ~日本の版画ねぇ」って位に素通りしようと思ったけど素通り出来ない奇麗さ。誰これ?って事で日本に帰ってから調べるものの・・・

名前がうろ覚えな自分が馬鹿なんだけどさ、
「えーなんとかなんとかって版画家なんですけど?現代な感じの」
「え?」
「名取春仙?伊東深水?」
「や、そんな名前じゃなくて」
当惑する丸善店員さん(美術書を探そうと目論んでいた)

随分と後になって名前だけ覚える事が出来たものの展覧会とか無い。
というか気付かないまま今日まで。


NYで見る事が出来たのも、
成程ね、と理解したのは雑誌の表紙も飾っていたからなんだね。

お茶目にクリスマス仕様


ジョブズさんも収集されていたそうで、今回彼が集めたのと同じ作品の展示もありました。版画に関して言えば外国の方の方が詳しい。あまり版画に対して熱が無かった自分ですが、川瀬巴水さんと吉田博さんのお陰で随分と自分には興味が出る事となりました(正確には木版画の興味)


若い。んでもって野心家の顔だなぁ。




さて、この作品が川瀬巴水さん最後の作品となりました。

この作品もとても不思議な動きと静けさがありいいなぁ。


絶筆と落款?が押されています。

川瀬巴水さんって字が奇麗でちょっと自分が恥ずかしいと思う。


中央の僧侶の位置を何度も書き直していたらしいですが、
確かに多分この位置が良いような気がしますよね。

悩んでいた感じがする。(漠然と)



名残惜しく出るとひまわりがどーんと出てきます。
そっか東郷青児美術館だった(*'ω'*)

作品が大きいから左右が曲がる曲がる

ただなんかこう悶々とした作品だよね。


こってこてに塗りたくった絵・・貧乏とか言う割には沢山絵の具を使う辺りに闇を感じるわ。

しつこいけど悶々。


図録を買って、お茶でも飲んで移動しましょうとなりました。

天気が良くて良かった(;・∀・)



今回は念願の川瀬巴水さんの作品をやっと、しかも大量に見る事が出来てなんだろうね、あれから20年以上経過してやっとやっとだったんだよね。
手をふと見たら皺だらけのかさかさの手。

本当に随分と時は過ぎてしまいました。


今ならコースターついてきます。


本当は作品数が少なかったら和田誠展予定がもうここで電池切れ。
宿に向かう事になりました。

またね。


翌日は所謂銀ブラしてきたお話です。

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