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苦手はそう悪いものでもない

どうにも苦手な焼酎を
良い物だからとグラスに注いでもらうけど
やっぱり好みじゃないから、口すらつけず
返す。

ももまろさんが記事を出していて
自分がこの後書き足す事の大体が書かれていた。



紺ちゃんと言う呼び名の恐ろしいモテ男が
職場にいた。皆が色めき立つけど、
はっきりした輪郭がある様でさっぱり掴めない
紺と言うよりベンタブラックみたいな人。
苦手というより扱いに困るが正解かもしれない。

飲み会で面倒から避けるために
声を掛けてきたのが丸見えすぎて、
隣に座って長話をしそうになった瞬間
「ここは遠慮ください」と言うと、
「キツイね」と言いながら移動したけど、
皆が苦手な上司と自分が普通に喋るから
使えるヤツとしてやたら声を掛けてくる。


彼の本命とかそういうのは知らないけど
飽きっぽいのは分かる。
そして最悪なのも分かる。
隣席の子に手を出していたのも知っていた。
彼女は格好の相手だった。

彼の行動は、まず無関心からの関心。
次はなんとなくの同調。
大抵の子が「趣味が合う」と言う。
そんな誰とでも趣味が合う子いる?
つまり、
彼が今興味のある事に同調した子を探して
その子に声を掛けているだけ。
初めからなんとなく気がある子を見つけるのは
馬鹿みたいに簡単レシピ。
だって自分の趣味と称するもの今始めるなんて
分かりやすすぎ。
そしてやたら初めだけ相手に合わせてくれる。

そしてここからが本領発揮で、主導権を奪う。
お付き合いの手前になると言う
「先はどうなるかわからない。君もね」
「お互い負担にならないようにしたい」
「基本一人でいる事が好き」
こんな様な事を言う。

相手が気がある場合、この一言で
「自分が嫌いになる事は無いだろう」
「相手が自分を負担に思ったりするかも知れない」
こう思わせる為に言う。

相手がそう思えば後は簡単だ。
捨てられない様に、嫌われないように相手が動く。いつもご機嫌で済むし、約束を破る嘘をつく理由も減る。だって相手は怒ってこなくなるから。

境界線の無い付き合いが沢山あっても
何も言えない。
我慢できなくて
相手が無言でフェードアウトするから
逃げた子は誰だかわからない。
泣き叫ぶような子には
悪魔並みの冷酷さで切り捨てる。


彼の日々は女性によって彩られていて
そこから得るもので絶えず輝く。
歳が近い同性との遊びはほどんど無くて、
会社の一部との飲み会だけで
彼の「彼女」の部分を切り取ると
コミュ障の生活と変わらない。

付き合ってしまう
そういう人は意外と周りにいて
上手く付き合える人もいるし
ボロボロになる人もいる。

会社で隣に座る彼女に
紺ちゃんの話をそれとなく聞いていたけど
何も言わずにいた。

飲みに誘われた時は
なんとなく結末があったんだなとは
わかるよ。


自分は苦手な焼酎を
きっと飲んでいるうちに
好きになるかもしれないけど
そこまでして
克服するものでも無いやと思ってる。


















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